第七話「古森の戦い」
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感じ取りました。これは木々たちに森の生き物どもだな?
フォルノウスはすぐさま、森を一掃してくれんと火攻めに打って出ました。
けれどアルネルネの川が火を消してしまうので思うように火計が成らず、フォルノウスは苦戦を強い
られました。とうとう、フォルノウスはそして最後の禁じ手に出ました。
それは、木枯らしの術というもので。この時期、木々は日光と暖かい空気、そしてアルネルネの水に
よってぐんぐん強くなっていきます。けれども突然、気候が変化し始めたらどうでしょう?
東から、今までみたこともない暗雲が冷たい炎も凍るような寒波を乗せてやって来たのです。暗雲は
たちまち、翡翠の国を覆い尽くし、強い寒波が吹き荒れ、あたりを凍土に変えてしまいました。あの豊
かな季節がめぐる。
翡翠の国は、もはや見る影もありません。
木々たちは、また一人、また一人と枯れていきました。アルネルネの川も凍り、山も谷も冷たい風のゴウゴウ言う音が聞こえるのみです。
フォルノウスは戦いに勝ちはしました。けれどもフォルノウスはなぜか勝った気になれません、こん
な凍った大地を手に入れても何もえるものがないからです。抵抗する木々たちを根こそぎ、屠った後、
木枯しの法を解いて翡翠の国の気候は元に戻りました。
それでやっとフォルノウスは勝利を革新しました。けれども、またもやフォルノウスは度肝を抜かれ
ました。なんと翡翠の国の大地がいくら耕してもなんの実もつけないのです。まるであの術で死んだ
木々たち、生き物たちの怨念が大地に染み込んでいるようです。
それどころか、フォルノウスの悪名は木々から木々へ伝わって、諸外国の森の妖精たちがここかしこ
と騒ぎ立てました。諸外国はそれを旅人たちから聞いて、大きな衝撃を受けました。
北の国は、氷のこころで、木を枯らし
凍てつく風はみんな、凍らせよう。
されど翡翠の国の木々たちは、勇敢、偉大に立ち向かい、負けとわかって一矢報いた。
翡翠の国をたたえよう。木々たちに名誉の祈りを奉れ。
おっと森の獣も忘れるな。
我ら、木の精、水の精、北の国には実りを
一粒だってやるものか。
こんな歌を森のドリアードやエルフたちが歌い、木の精も水の精も示し合わせて、ひそひそ話。
諸国の王は震え上がってたまらず。フォルノウスの魔力を恐れました。
するとこれをしめたとフォルノウスは世界中に緘口令を出しました。
「ニム・イールに楯突く全ての国はその一切を滅ぼす、また、ニム・イールの大神官であるフォルノウ
スに意見するものは呪いによって死ぬ」と。
そしてそのとおりになりました。
だれかがフォルノウ
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