小悪魔 木暮
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垣田さんは落とし穴から大声で叫んだ。
「木暮!!またお前か!」
木暮と呼ばれた少年は、垣田さんに向かい話す。
「引っかかるほうが悪いんだーい!ウッシッシ!!」
そう言い残していくと少年は走ってどこかに行ってしまった。
垣田さんは落とし穴から登り砂を払い話す。
「こほん。取り乱してしまい申し訳ありません」
「今の子は?」
黒薔薇くんがそう垣田さんに尋ねる。
「今の子は木暮といいまして、漫遊寺のいわば問題児というところです?」
「問題児か?」
それ以降会話はせず、私たちは休憩をした後
各々色んなところを見て回ることにした。
私は塔子ちゃん、夏未ちゃん、春奈ちゃん、秋ちゃんで
久しぶりに女の子だけで行動していた。
「ホント、凄いですよね!私、京都は初めてなので新鮮なものばかりです!」
春奈ちゃんがそう言いながらキョロキョロ物珍しそうに辺りを見渡す。
「私は昔一回あるかな。施設のころお兄ちゃんと、あと友達二人で」
私はそう答える。
「へー、そうなんだ!」
秋ちゃんも楽しそうに会話に加わる。
「夏未さんは?」
春奈ちゃんが夏未ちゃんに質問する。
「私は何回もあるわよ、お父さんが旅行が趣味だから、よく付いて行っていたわ」
私たちがそんな会話をしていると
不意にバタバタと音が聞こえてきた。
「何の音かしら?」
夏未ちゃんの言葉で私たちは
耳を澄まし、傾ける。
「この部屋からみたいだよ」
私たちはその部屋に近づき、ふすまを開けると
そこには木暮と呼ばれていた少年が雑巾で掃除していたのだ。
「あれは木暮くんですね?」
春奈ちゃんがそう呟く。
「うん、そうだね」
私たちはそのまま木暮くんの様子を見る。
そんな時、木暮くんは愚痴のように呟いた。
「なんで俺ばっかり?、クソ!クソ!クソ!」
ただ雑に掃除しているように見えるが
さっきから疲れた様子が見えない。
少なくともかれこれ10分ほど、雑巾掛けをしている。
などと冷静に観察しているが
やっていることは覗き見だ。
私たちはその場を離れ、みんなに合流した。
合流した私たちは垣田さんに許可を貰い
グラウンドで練習させてもらえることになった。
「よおし!いいシュートだ!次来い!」
私は円堂くん達との練習ではなく
塔子ちゃんと一緒に練習をしていた。
「よし来な心美!」
「うん!行くよ塔子ちゃん!」
私はドリブルで駆け上がり塔子ちゃんを抜きに掛かる。
「電光石火!」
私はお兄ちゃんの技で抜きに掛かる。
「甘いよ!ザ・タワー!」
目の前に立ちふさ
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