第64話<盆踊り会場>
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「ちょっと、踊って良いですか?」
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マイ「艦これ」「みほ2ん」
第64話 <盆踊り会場>
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「私……司令から、どう見えます?」
……と、山城さんのドスの利いた低い声。
突然、何を言い出すかと思えば!
「……」
ゆっくりと振り返ると、私の至近距離に長身の彼女。
夜の屋台の灯に照らされた山城さんの意外に情熱的な瞳が揺れていた。
(こりゃ、ヤバイ)
こういう状況では、何と答えたら良いのか? 参るな。
夜のお祭り会場で、屋台が立ち並ぶ喧騒の中と言う微妙な状況が彼女を舞い上がらせているのだろうか?
「ねぇ、何してるんですか? 早く行きましょう!」
焦る私を尻目に五月雨と寛代が私の両手をグイグイと引っ張る。
「あ、ちょっと待って!」
……このままだと、また山城さんを喧騒の中に置いてきぼりにしてしまう。私は慌てて二人を制止すると山城さんに向き直った。
「取り敢えず今は、お祭りの会場へ行こう……な?」
私は彼女に早く付いて来るように促した。
その言葉で、ハッとしたような山城さんは再び私の帯を持った。
だがその機械的な反応に、私はホッとするのだった。
私たちは再び盆踊りの会場を目指して人ごみの中を前進した。まるで艦隊行動である。
「奥さん……って」
私の背後では相変わらず凄みのある低音ボイスで墓場の亡者のように呟く山城さん。それは水木しげるロードの鬼太郎オブジェと相まって、もはや鳥肌モノだ。
しかし五月雨に寛代が気を利かせてくれたのかどうか?
正直分からないが彼女たちが引っ張ってくれて助かった。
やがて私たちは、ほどなく駅前の広場に到着した。さっきの屋台通りに比べると意外と、こっちは空いていた。
広場の西側の駅に近い舞台の上では、和装で大柄の女性が民謡を歌っていた。
「あれは何の歌ですか?」
五月雨が不思議そうに聞いてくる。
「えっと、民謡」
「ミンヨウですか……」
そうか、艦娘には興味がなければ民謡なんて分からないよな。
さらに少し歩いていくと少し離れた広場中央にある櫓では、和太鼓の演奏が拍子を取っていた。
最近は盆踊りといえども町中が総出で踊るって感じではない。
まして、ここは駅前だ。地元の人と、こういうのが好きな観光客が半々くらい。あとは全体的にはスカスカな感じ。
でも改めて目を凝らしてみると暗闇に一際、目立つ女性たち……ああ、やっぱり。それは美保の艦娘たちだった。
浴衣を着た日向が上手に踊っている。それを手本にして利根や赤城さん
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