第二章
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「けれど乃木さんと黒木さんもね」
「二人共いいのよね」
「三人のうち誰かを推薦させてもね」
その場合はどうなるか、二人には容易に想像がついた。実際にその茶を飲みながらだ。山縣はこう桂に話した。
「お互いに推薦し合うに決まってるから」
「三人共いい娘だからね」
「本当にね。いい娘過ぎるのよ」
良過ぎてかえってだというのだ。
「だからそうしたらかえって混乱するからね」
「そうなるわよね」
「そう。だからなのよ」
こう言うのだった。
「推薦もできないから」
「そうなると私達だけで決めないといけないから」
「問題はね。三人でまとまるかしら」
その三人それぞれがどうかというのだ。
「全くね。本当にね」
「あの娘達ってそれぞれ二年とか一年にお友達とか慕ってる後輩とか多いし」
このことも問題だった。派閥が懸念されるのだ。
「下手に選ぶと後が大変になりそうだし」
「児玉さんを選んでもよね」
「そう。何かいい考えないかしら」
「二人の場合でも大変なのにね」
「三人よ、三人」
山縣は眉を顰めさせて言った。
「そこが問題なのよ」
「三人ね。そういえば」
「そういえばって?」
「ええ。三人っていうとね」
桂はここで気付いたことを山縣に話した。その気付いたこととは。
「ほら、毛利家の」
「あっ、三本の矢ね」
「あれやってみたらどうかしら」
「三人に団結してもらう様に言うのね」
「それやってみたらどうかしら」
「そうね。それじゃあね」
考える顔になってだ。山縣は自分の向かい側に座る桂に述べた。
「それやってみようかしら」
「じゃあここは」
「そう。あれをしてみましょう」
「よし、じゃあね」
山縣は確かな顔になって桂の言葉に頷いた。そうしてだった。
今飲んでいるお茶を飲み干してこう言ったのである。
「明日早速ね」
「早速やってみるのね」
「思い立ったが祝日だから」
山縣のモットーの一つだ。彼女はすぐに動く主義なのだ。
「やってみましょう」
「わかったわ。それじゃあ明日部活の後で三人を集めてね」
「言ってみましょう」
「ええ、用意をしてね」
こうしてだった。二人はだ。
次の日の部室で三人を集めた。見れば三人共中々の美少女だ。
児玉は小柄だが垂れ目で白く優しい顔立ちをしている。髪は黒のショートだ。
乃木は穏やかな顔立ちの腰までのロングヘアだ。胸がかなり目立つ。
黒木は明るい顔立ちでアーモンド型の目をしている。茶色の髪を伸ばし後ろで団子にしてまとめている。その三人の少女を弓道の練習場に集めてだった。
山縣と桂は真剣な顔でだ。こう彼女達に言っ
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