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提督はBarにいる。
不幸お茶の会・定期総会その2
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ムマシンでも無けりゃあ、過去を書き換えるなんて真似が出来るハズもない。

「じゃあ聞くが、扶桑に山城。お前らウチに来てから不幸な事しか無かったか?」

「そ、そんな事はありませんよ!」

「カッコカリですけど、提督のお嫁さんにもなれましたし!」

 首をブンブンと左右に振って、それを否定する2人。

「翔鶴に、陸奥に、大鳳も。毎日が苦しいか?」

「いいえ?」

「むしろ充実してるわ」

「美味しいご飯に、気の合う仲間……時々夢なんじゃないかと思う位です」

「レーベとマックスは故郷を離れてウチにいるが、辛いか?」

「ううん、艦隊決戦は慣れない事も多くて大変だったけど……」

「皆が気を遣ってくれて、今はドイツの仲間も増えて楽しくやっているわ……不謹慎かもしれないけれど」

「な?人生全てが不幸だ、なんて奴はこの世にゃ居ねぇのさ」

 何かの本からの受け売りだが、人生に於ける幸運と不運の割合は半々で、それがいつやって来るかはランダムらしい。さらに、振り子の振れ幅のように不運が積み重なった後にやって来る幸運は反動で大きくなるという事が書いてあった。気休めかもしれないが、そう考えると少しは気が楽になるだろ?

「だから、お前らも不幸だ不幸だと嘆かないで『幸運の積み立て貯金をしてるんだ』と思ってみたらどうだ」

「幸運の……」

「積み立て貯金……」

「ふふ、良いわねそれ」

 それに人生のツケって奴は自分の一番苦しい時にやって来るらしいからな。幸運な奴がずっと幸せかと聞けば、怪しい物がある。





「さて、気晴らしになった所で恒例のアレ、いっとくか?」

「そうですね……宴もたけなわ、丁度良いと思います」

「あいよ、準備始めるぜ」

 そう言って俺はとある料理の準備を始める。小麦粉に、その3倍強の水、削り粉、卵を加えて混ぜ、そこに醤油を一回し。それに具材の揚げ玉や紅生姜、ネギも準備。ここまで来ると解るかな?今作ってるのはたこ焼きの生地だ。毎回『不幸お茶の会』の飲み会の〆はたこ焼きときまっているのだ。しかもただのたこ焼きではない。

 具材を入れ、焼き上がったらソースを塗ってマヨネーズ、鰹節、青海苔を振り掛ける。

「さぁ出来たぞ」

「では始めましょう……ロシアンたこ焼きを!」

 ロシアンたこ焼き。即ちたこ焼きを使ったロシアンルーレットだ。『当たり』のたこ焼きの中には、タコではなく辛子がしこたま突っ込んである。お茶会のメンバーと俺を含めて全員で食べ進めていき、『当たり』を引いた奴が今宵の飲み代を持つ、というお遊び要素満載のゲームだ。用意したのは50個。1人に6つずつは当たる計算だ。しかも今回は特別バージョン。タコだけじゃなく中心の食材を色々
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