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恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS
592部分:第四十六話 馬岱、乳を羨むのことその六

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第四十六話 馬岱、乳を羨むのことその六

「私はいつもそれで悩んでいるのだが」
「鈴々みたいに短い髪でもそれはできてしまうのだ」
「しかしそれがない」
 魏延はまた指摘する。その髪を洗いながら。
「ここまでの髪があるとは。こうして手入れをすれば」
「よくなるんですか?」
「磨かれます」
 また劉備に話す。
「そしてそれは」
「それは?」
「髪だけではないです」
 うっとりとした言葉はそのままだった。
「では次は」
「次は?」
「お背中流します」
 こう話すのだった。
「そちらも」
「いえ、それは」
「お気遣いなく」
 劉備の遠慮はすぐ消したのだった。
「ではすぐに」
「ううん、だったら」
「はい、それでは」
 こうして今度は背中も流す。するとだった。
 魏延はさらにうっとりとした顔になってだ。劉備のその背中を見て話した。
「お肌も奇麗ですね」
「そうですか?」
「はい、白くて」
 まずはその色からだった。
「それにとてもきめ細かいです」
「確かにな」
「桃香さんの肌って凄いんだよな」
 趙雲と馬超は湯舟の中からその劉備を見て話す。風呂の椅子に座りそうして後ろから魏延に洗ってもらっている彼を見ながらだ。
「白くてきめ細かいだけではなく」
「肌触りもいいんだよな」
「確かに」
 魏延も今それを感じていた。
「まるで餅だ。水の弾きもいい」
「ううん、何かそこまで言われると」
「美味しそうな」
 つい出してしまった言葉だった。
「ここまでとは」
「えっ、美味しそう?」
 劉備は魏延の今の言葉にふと顔を向けた。
「美味しそうって?」
「あっ、いえ」
「いえって」
「何でもありません」
 自分の言葉を慌てて打ち消す魏延だった。
「お気遣いなく」
「そうですか」
「はい、そうです」 
 また言う魏延だった。
「それで次は」
「次は?」
「前を洗います」
 劉備にさらに言うのであった。
「いいですね」
「あっ、いえ」
 今の申し出にはだ。魏延は慌てて断ろうとした。
「それはいいです」
「いえ、遠慮なく」
「遠慮なくですか」
「そうです、遠慮することはないです」
 魏延も魏延で引かない。
「ですから」
「あっ・・・・・・」
 劉備にその身体を摺り寄せる。身体全体で洗わんとする勢いだった。
「あの、魏延さん」
「ではいいですか?」
 劉備に小声で囁く。

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