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遊戯王GX〜鉄砲水の四方山話〜
ターン77 鉄砲水と五行の竜魂
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のはエクリプス・ワイバーン3枚と霊廟の守護者、トライホーン・ドラゴンだ」
「やっぱりそのカードか……」

 ドラゴン族で未来融合といえばデュエリスト誰もが真っ先に名前を挙げるであろうカード、F・G・D。ドラゴン族5体という驚異の素材の緩さは、未来融合と組み合わせることでデッキから任意のドラゴン族5体を墓地に送ったうえであわよくば融合までできるというおろかな埋葬5枚分プラスアルファという豪快なコンボを可能とする。
 どうも今回のデュエルは先ほどの剛角笛といいミスターTの理想的な初手といい、今一つ流れがよろしくない。ここらでなんでもいい、何か勝負の流れを引き寄せに行かないと。

『いや。今奴が選んだカード……残念だがそれだけでは済まないぞ、マスター』
「さらに私は、墓地に送られたエクリプス・ワイバーン3枚の効果を同時に発動。このカードが墓地に送られた時、デッキから光または闇属性でレベル7以上のドラゴン族モンスター1体を除外することができる。これによりそれぞれ古聖戴サウラヴィス2体、そしてオッドアイズ・セイバー・ドラゴンを除外する」
「また除外……?」
『当然、ただで済むわけがないな』

 チャクチャルさんの不吉な言葉に応えるかのごとく、ミスターTが次の手を示す。

「魔法カード、龍の鏡(ドラゴンズ・ミラー)を発動。私の墓地から今落とした5体のモンスターを除外することで、ドラゴン族限定の融合召喚を行う」
「なっ……!そのモンスターが出てくるのは、次のターンじゃ……!」
「言っただろう?あいにくそこまで待つ気はない、と。融合召喚、出でよF・G・D!」

 予想よりもさらに1ターン早く、地が弾けた。水が爆ぜた。炎が舞った。風が荒んだ。そして闇が、その力全てを統合した。デュエルモンスターズに存在する、神を除いた6つの属性……そのうち光以外の5つの力を掌握する、それぞれの属性ごとに分かれた5つの首を持つ恐るべきドラゴン。僕も何度か見たことはあるが、こうして実物を相手にするのは初めてだ。その力は小難しい効果など一切ないシンプルなものだが、それゆえにその身に秘められた破壊力はまさしく超大型モンスターの名に相応しい。

 F・G・D 攻5000

 もしあの攻撃力からの一撃をまともに受けたりしたら、一体どれほどの苦痛を浴びることになるだろう。これまでの闇のデュエルでは、受けるダメージは2000台、多くて3000台までだった。それだというのにあの火力馬鹿なモンスターは、1回の攻撃だけでその倍近い5000ダメージを叩きだす。命はおろか魂まで懸かった闇のデュエルにアドレナリンが駆け巡る僕の脳内を、それでも隠しきれない死の気配と冷たい予感がほんの少しだけ掠めていく。
 そしてそんな浮き足立っていた僕を諌めてくれたのは、やはりチャクチャルさん
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