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戦姫絶唱シンフォギア〜貪鎖と少女と少年と〜
第五話 思いを成し遂げるには
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で繋がれているんだ」

 気づけば、鳳は土下座していた。もう、完全に理解してしまったから。

「何の真似だ?」
「俺に、戦い方を教えてください」

 弦十郎の返事を待たず、鳳は言う。

「このままじゃあ、成し遂げられない……! 繋いでもらった命を生かすことも、自分の思いを成し遂げることも、どっちも……!!」
「だから俺に教えを乞うのか?」
「あの身を竦み上がらせるような地獄を切り抜け、帰るためだったらどんな地獄に耐えて見せる。だから、お願いしますッ……!!!」

 額を地面に擦り付けていたので、弦十郎の顔を見ることは出来なかった。その時間が、一時間にも一年にも永遠とも取れるような体感時間。

「『チューンフォーカー』」

 思わず鳳は顔を上げていた。

「その銃はただの玩具ではない。それを握るからには、生半(なまなか)な修行をつけるつもりは無いぞ?」
「望むところですッ!」
「ふっ……その眼、やはり史郎君に良く似ている」

 『チューンフォーカー』。そう、弦十郎は口にした。
 あのライブ会場から巡り巡って今、自分の手の中にあるその銃のグリップはどうにも自分の手に馴染むようで仕方がない。
 鎖の少女の後ろ姿と、そして言葉が脳裏を過ぎる。

『貴方のような命を知らぬ者に吐く言葉は持ち合わせていませんので』

 ずっと考えていた。彼女の言葉にどう返そうか、どう自分の言葉を叩きつけようか。
 それができない限り、あの空虚な眼が作り出す視界に入る事は叶わないから。

「ところで鳳君、君はアクション映画は嗜む方かな?」
「……は?」

 この時の鳳はまだ、まさか陽が高くなるまでアクション映画を観させられる羽目になるとは思ってもいなかった――。
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