第四話 黒い猟犬
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……普通にビーム兵器で斬った方が良いですね」
バレリオンの反撃とも言えるミサイルランチャーを難なく避け、“眼”にあたる部分にG・リボルヴァーの銃口を押し付けながら、ライカはそう分析した。
帰ったらアンカーは取り外してもらおう――ついでにそんなことも考え、シュルフツェンは引き金を引いた。
すぐさま吐き出された弾丸は数度の鈍い破壊音を奏でられる。やがてバレリオンの内部から黒煙が立ち上り、高度を下げていく。
一番大きな弾丸を使っても中々落ちなかったのは流石バレリオンの装甲といった所か。
「ちょうど良い位置ですね……」
偶然にもそこはバズーカの有効射程内。
「まず一つ……!」
迷うことなくライカはバズーカを撃った。
弾は寸分の狂いもなく砲口を潜り、砲身内部を突き進み、やがて中の砲弾を誘爆させる。思ったよりも派手な爆発だ。
「……五十八秒。時間を掛けすぎました」
後続が来るまでにあと七門。想像以上にシビアな制限時間だ。
ライカの頬を一筋の汗が伝う。
「……上等」
時間の他にライカの不安要素がもう一つあった。何を隠そうこの機体に積まれている爆弾……もとい『CeAFoS』。
戦闘開始してからまだ一度も動いていないこの装置は一体何なのだろうか。起動はしているはずなのにこの前のような自律戦闘やBMパターンの提示もない。
メイシール曰く、『貴女の邪魔はしないはずよ』とのことなのだが……。
(なら外してください、なんて言えないですよね)
そんなことを考えていたら次の獲物が見えてきた。一刻も速く全部壊さなければ後に支障を来す。
「……行きますか」
◆ ◆ ◆
「お、ついに始まったか」
「……そうですね」
地下の基地で艶が無い真っ黒なガーリオンのパイロットが隣の機体で待機している“ハウンド”へ通信を送っていた。
「どうでも良いけどさー、お前そのヘルメットいつも被ってるよな。口元しか見たこと無いぞ俺」
「作戦行動に支障はありません」
モニターの向こうには、口元しか出さないヘルメットにパイロットスーツ姿の“ハウンド”がいた。ガーリオンのパイロットに出来るのはせいぜい口の形から表情を読み取り、直接言葉を交わすことぐらい。
不便は感じない。何だかんだで上手くいっているのだ。
「雑談よりも機体チェックに集中したほうがよろしいのでは?」
「嘗めんな、とっくに万全だ。他人の事言ってる暇あるのか? 俺のよりよっぽどメンドクサイ機体乗ってるだろうが」
そう言いながらガーリオンのパイロットはモニターを切り替える。映し出されたのは“ハウンド”の機体だった。
ガーリオンの頭一つはある全長、黒と灰色のカラーリングが一層
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