第四話 黒い猟犬
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ロー、ライカ。ちょっと良い?」
「何ですか少佐?」
「ちょっとシュルフツェンの武装の説明をしておこうと思ってね」
「……プラズマバックラーにコールドメタルナイフ、バズーカにアサルトマシンガンですよね? 先ほど説明は受けたと記憶していますが」
「話は最後まで聞きなさい。今回、私が独断で組み込んだ武装の説明をするのを忘れててね」
ライカはあからさまに不満げな表情を浮かべる。
ただでさえ『CeAFoS』があるというのに、これ以上厄介なモノを付けないでほしい――と、流石に口にするのは出来ないのでライカは心の中で愚痴をこぼした。
「まず一つ目。ナイフなんだけど、刃の根元にちょっとした細工を施していてね。一発限りの飛び道具になるわ」
「つまり、スペツナズナイフのようなものですか?」
「そうね。あとはシュルフツェンの腰部を見てみなさい」
言われるがままにカメラを倍率を上げ、腰部を見てみると、何やら知らない武装が施されていた。
「それはね。戦闘における有線兵器の有用性を再確認する意味で付けたものよ」
「有線兵器? チャクラムシューターですか?」
「アンカーよ」
「は……?」
「射出式アンカー。これを相手に撃ち込んで、スラスターや重力に頼らなくても空中戦をこなせるようにする、というのがコンセプトね」
送られてきたモーションデータに目を通したライカは額を掌で覆った。言いたいことは分かるし、やりたいことも理解できるのだが、これはあまりにも実用性を疑ってしまうモノだ。
口を開こうとする彼女を遮るようにメイシールは言う。
「その程度の武装が扱えないだなんて、貴女の実戦経験とやらも怪しいものね」
「……一つ武装を追加してください。そうですね、G・リボルヴァーを。それと弾倉には一番大きな弾をお願いします」
「貴女って意外と……ううん、待ってなさい。すぐに用意させるから」
柄にもなく、ムキになってしまった。まあしかし、とライカは気持ちを切り替える。
プロならある武装を文句言わずに全て使いこなす。ライカはすぐに頭の中で戦術を組み直した。
(……ん?)
ふと、胸騒ぎを覚えた。まるでこれからの作戦の結果を示すように。
(……上等。私はまだ死ぬわけにはいきません)
「中尉聞こえるか!?」
通信用のモニターに映し出されたクロードの表情に焦りの表情が見えた。彼から告げられた言葉はライカの嫌な予感を見事に肯定することとなる。
「今入ってきた情報だが、偵察中の部隊がやられたそうだ! このままでは防衛網が強化されて俺達では手が付けられなくなっちまう! すぐに出るぞ。用意は出来ているか?」
嫌な予感が、当たってしまった。こうまで早い対応は敵に読まれていたとしか思えない。
「す
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