591部分:第四十六話 馬岱、乳を羨むのことその五
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第四十六話 馬岱、乳を羨むのことその五
「それにはだ」
「むっ、わかっていたのか」
「髪が長いとどうしてもなってしまうからな」
「これでもかなり気をつけているのだがな」
「それでもだ」
また趙雲だった。
「いいな、それは」
「じゃああたしもやばいか?」
「私もなのね」
馬超と黄忠もだった。
「髪が長いとどうしてもな」
「星もその一条の髪が気になるわよね」
「実はそうだ」
趙雲もそれを隠さない。
「これでも髪の毛にはかなり気を使っているのだ」
「わかります、それは」
「私も」
月とミナもであった。見れば彼女達もその髪は長い。
「どうしても。気になります」
「それは」
「ロングヘアは好きだけれど」
神楽にしても髪は長い。
「けれど拭くのも乾かすのも」
「そして手入れもね」
「手間がかかるから」
三人もなのだった。しかし一人例外がいた。
「そうなんですか?」
「むっ、そういえば姉者の髪は」
「長いだけでなくかなり多いのだ」
「はい、私髪の毛の手入れとかは特に」
考えたことはないと。妹達に話す。
「してないんですけれど」
「それでその髪なのか」
「凄いのだ」
しかもよく見ればだ。
「枝毛は全くない」
「ツヤも凄いのだ」
「本当に何もしていないんですよ」
劉備はさらに話す。
「スタイルについても」
「何かそれって凄過ぎます」
「本当に」
孔明と鳳統もこれには驚く他なかった。
「桃香さんは天性のものですね」
「自然と輝いている原石ですね」
「私は別に」
また言う劉備だった。
「特にそれは」
「しかしです」
ここで魏延が彼女に言う。
「だからといって手入れを怠ればです」
「怠れば?」
「よくありません」
そうだというのであった。
「ですから」
「ですから?」
「これから私がです」
すぐに迫ってきたのだった。
「お手入れを」
「魏延さんがですか」
「はい、お任せ下さい。それでは」
「それでは?」
「まずはあがりましょう」
こう言ってだ。劉備を風呂からあがらせた。当然自分もだ。
そして、であった。まずはその髪を念入りに洗うのだった。
劉備のその髪を後ろから丹念に洗いながらだ。魏延はうっとりとして話すのだった。
「劉備殿の髪は本当に奇麗ですね」
「魏延さんまで」
「いえ、本当に奇麗です」
そのうっとりとした顔で話していく。
「こんな髪ははじめてです」
「はじめてですか?」
「枝毛が一本もありません」
まずはそれだった。
「本当に一本も」
「ううむ、有り得ないな」
「お姉ちゃんは完璧過ぎるのだ」
また唸る妹達だった。
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