5 二日目
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しいことにリリィと共に登校することになった。藤木には朝からこの上ない幸運な日だった。
リリィは二日目も色々な女子と談笑していた。イギリスの話とかをしていた。
(今日もリリィは人気だな。僕も転校すればあんな風に人気者になれるのかな・・・?)
「藤木君」
永沢が不意に話しかけてきた。
「君、もしかして自分もリリィみたいに転校すれば人気者になれると思ってるんじゃないのかい?」
「い、いや、そんな事ないさ!!」
永沢はいつもの如く、藤木の心の中を見抜いた。藤木は慌てて誤魔化した。
「ま、そうだろうね、君は転校先でもすぐ卑怯な事しそうだしね。人気者になれるわけないもんね」
相変わらず藤木には辛辣な永沢であった。しかし、藤木にはこの上ない楽しみが待っていた。何しろ放課後にはあのリリィの家に招待されて二人だけの時間が楽しめるのだから。
なおこの日は体育の授業があった。男子は走り幅跳びをやっており、藤木はリリィにいいところをみせてやろうと考えた。そして走り出す。
(よおし!)
藤木は思い切り飛ぼうとした。しかし着地においてズッコケてしまい、みっともない姿を見せる結果になってしまった。多くのクラスメイトが笑いを誤魔化そうと必死になっていた。リリィも笑っていた。
(ああ、なんでこんなにツイてないんだろう・・・)
毎度の事であるが、本当に自分は運の悪い男だと思う藤木であった。そして体育の授業が終わり、藤木は永沢と話しながら教室へと戻る。
「藤木君、君、カッコつけようとしなかったかい?」
「い、いや、そんな事ないさ!」
藤木はいつもの如く永沢の推察に否定する。
「まあ、そうだろうね。卑怯な君がカッコよく決められるわけないよね。それで君に惚れる女子なんて要るわけないだろうね」
「う・・・」
「永沢君、そこまで言わなくたっていいじゃない」
「え?」
リリィが話に入って来た。
「空回りする事って誰にだってあるんじゃないの?私にだって上手く行かなかった事ってあるわ」
「ふん、君は藤木君が卑怯者だって事を知らないからそんな事いえるんだ。今にも藤木君がどんな奴か解るさ」
永沢はさっさと離れてしまった。
「藤木君」
「え?」
藤木はリリィによばれでドキッとした。
「ごめんね、さっき笑っちゃって」
「い、いや、全然気にしてないさ」
(永沢君から僕の事庇ってくれたし、もういいのさ・・・)
藤木は心の中でリリィに感謝していた。
「永沢君が行ってた事も全然気にしてないからね」
「う、うん」
(そうだよな、後でリリィの家に行けるんだもんな!!)
藤木は放課後の事に心を膨らませるのであった。
給食の時間となった。給食当番が給食を取りに行く。藤木やリリィは待っていた。
「日本じゃ必ず給食ってい
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