ペルソナ3
1778話
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セルとはそんなんじゃないってば!」
「へー。……じゃあ聞くけど、ゆかりとその……アクセルだっけ? その人とはどういう関係なのよ?」
「それは……その、友人?」
「男女間の友人関係なんて信用出来ませーん!」
「何? どうしたの? ゆかりに出来たって恋人の話? 私も混ぜて」
「きゃーっ!」
ゆかりと友人の話が聞こえたのか、周囲にいた他の何人かがゆかりの話に入っていく。
それにまたゆかりが戸惑い、慌てたように口を開く。
「もう、アクセルとはそんな関係じゃないって言ってるでしょ!」
いよいよ我慢の限界だったのか、ゆかりはそんな風に叫ぶ。
それを見ながら、女ってのはやっぱり他人の恋愛にはかなり興味を持つんだな、と納得する。
まぁ、それを言うのであれば男もゆかりの恋愛に関しては興味あるんだろうけど。
弓道場に視線を向けると、何人かの男が俺との関係を必死に否定しているゆかりの方に何度も視線を向けている。
これを見る限りでは、弓道部の中にもゆかりを好きな男ってのは結構いるのだろう。 もしくは、明確に異性としての好意を抱いているのかどうかはともかく、憧れだったりするのかもしれないが。
月光館学園に来る途中で聞いた話によれば、ゆかりの失恋スレとかいうのが普通にあるらしいし。
だとすれば、ゆかり目当てで弓道部に入ったって奴も結構いそうだな。
「もうっ!」
頬を膨らませながらそう告げると、ゆかりは弓を持って弓道場の端……弓を射る場所に向かう。
そうして苛立ちからか、素早く弓を構えるとすぐに射り……だが、焦っていた為なのか、射られた矢は的に当たらず、土か? 砂か? ともあれ的が埋まっているそこに突き刺さる。
「あー……」
そう言ったのは、一体誰だったのか。
ゆかりも、ここで自分が外すとは思わなかったのか、少しだけ頬を赤くして視線を逸らす。
だが、ここで外すのも無理はない。
確かにゆかりは命を懸けた実戦を潜り抜けた。
それは大きな力になるだろうが……ただ、潜り抜けたと言っても、影の1匹を……スライムもどきを1匹倒したにすぎない。
それだけに、得られた経験値の類も決して大きくはなく、絶対的な力を持つ……という風には言えないのだろう。
だが、寧ろそんなゆかりの態度が良かったのか、弓道部の部長と思われる女が手を叩いて皆の注目を集める。
「はいはい、今日は集中出来ていないわよ。ゆかりの恋愛模様が気になるのは分かるけど、それよりも前に自分の腕を磨く事を優先しなさい。そうじゃなきゃ、恋愛だけじゃなくて弓でもゆかりに置いていかれるわよ」
「ちょっ! 部長!? いきなり何を!」
「はいはい、今回の騒動の張本人は黙った、黙った。とにかく、今日は皆色々と浮ついているよ。弓に集中しな
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