SAO:tr6―お人好し―
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、自分の部下の披露も見る事ができない。おまけに彼の発言からして余裕もなさそうであからさまにボス討伐に慣れていないみたいだし、そう考えると彼らは必ず目的を達成できないのは明確ね」
「……つまり、ドウセツが言う意味って、私達が何を言おうとしても無駄ってことになるよね?」
「キリカはあの場に聞いていなかったからイマイチわからないでしょうけど、その通りよ」
兄の説明も含めれば『軍』は……コーバッツの指示によりボスに挑むつもりだろう。でもドウセツはコーバッツの発言をおおよそ読み取った結果は失敗することになるらしい。
だからこれから起こることはコーバッツの自業自得であり私達には何も関係ない。ドウセツが言う本当の意味はこれなんだろうな。そして心配して止めようとしてもコーバッツは耳を傾けてはくれない。兄とのやり取りでほぼ証明されたんだろう。
でも……。
「だったら尚更だよ。一応様子だけでも見ようよ」
ドウセツの話が通るなら、何が起こる前にどうにかして説得するべきだ。
人は変われる。それが良くも悪くても変わることは確かなこと。
ここで諦めるより、なんとか説得して良い方法へと変われることに私は信じてみたい。
「兄もいいかな?」
「そうだな……様子だけでも見に行くか。まったく、お前はお人好し過ぎるな」
いや、兄も相当でしょ。
ただ、兄が言うと、私達だけではなくクラインの五人の仲間を相次いで肯定してくれた。クラインもしょうがねぇなと言いつつもついて来てくれて、結局みんなで行くことになった。
ただ一人、ドウセツを除いて。
「お人好しばかりで呆れるわね」
プイっと顔を背けてしまい、自分は関係ないと、その場で座り込む。
ドウセツは助ける気はない感じなのか……まあ、ドウセツは自ら進んで助けに行かないもんね。
「悪いんだけど、兄達は先に行ってて。私は後からドウセツと一緒に行くから」
「わかった」
兄達は安全エリアを出て『軍』の後を追いかけた。
「私は行かないわよ」
説得する前に拒否してきたか……。
そう簡単に諦めるものですか。
「ドウセツ言っていたよね、好きにしてって。なら、私がドウセツを連れて行くのだって、好きにすることなんだから問題ないよね」
「それは貴女と組む時のことであって『軍』を助けることと関係ないわ。それくらいもわからない都合の良い頭をしているのね」
「いいえ、好きにしてって言ったからには何でも好きにさせてもらいますから」
「これだからバカ……どうなったらそのおめでたい頭になるのか逆に羨ましいわ」
「おい」
「とにかく私は行かないって言っているの。そもそも『軍』の様子を見るために私が必要なのかしら」
様子を見るだけなら、ドウセツはいてもいな
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