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SAO:tr6―お人好し―
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。なんつうか、お前は良い意味で俺の好みじゃねぇんだよな」
「……私、クラインと付き合うんだったらピラニアとキスした方がマシ」
「その比較対象はどうなんだよ」

 別にクラインに異性として見られて欲しいとは思わないけど、お前はもう俺の好みじゃねぇって言われるとそれはそれで腹立たしい。つうか、クラインからどう思っているのかって聞いたくせに私のことを妹にしか見えていないっていうのはどうなのよ。

「なんかあれだね。クラインは一生未婚のまま生涯を終えそうだね」
「お前、満面の笑みで残酷なこというなよ! キリトに先を越されそうだけど、お、俺にだってチャンスはある!」
「あったらいいね」
「ぜってぇあるに決まっているだろ!」
「絶対に未婚のままだってあるかもしれないじゃん」
「俺のこと兄だと思ってくれているのなら、もう少し優しくしてもいいんじゃないか?」

 別にクラインのことは血のつながらないお兄ちゃんだと思ってもイコールとして優しくするとは限らないんだよね。実の兄に対しても全部肯定する様なことなんかしていないもんね。クラインに恋人ができた時には素直にお祝いの言葉を送るよ。

「頑張れ、クライン。未婚のまま終わらない様に祈っとくね」
「おうって、祈るだけかよ!」

 クラインの勢いあるツッコミに私は爆笑した。いやぁ……最高だわ。
 クラインはため息つきながら頭をぼりぼりと掻きながら話を変え始めた。

「……にしても、お前さんもキリトも、結構進歩したんだな」
「そんなことないよ」
「いいや、そんなことあるって。キリトもキリカも、また誰かと組んでいることが俺は嬉しいんだぜ」

 クラインは私達兄妹がいろいろあった時期に心配をかけてしまったことがある。それを振り返って今の私達を見て喜んでいるのだろう。
 でもそれは私もだ。
 
「それは私もかな。ちょっとアスナが強引だったけども、兄とアスナがパーティーとして組んでくれるのが嬉しかった。私は多くはないけど、ドウセツとは何回かちょくちょく一緒に行動することはあるんだよ。でも兄はさ……私達双子なのにさ、私よりもコミュ障気味だし、変なところは一人で背負いがちだし、周りに迷惑かけたくない想いが強いせいだからさ、素直に一緒に行こうぜみたいなこと言えなかったと思うんだよね」

 でも、兄をそうさせてしまったのは私にも原因がある。
 私が虚勢を張っていたせいで、兄を追いつめる結果となってしまった。
 ……なんて言ったらクラインに怒られるね。このことでは何度も怒られているから、言わないようにしないと。それに自分でそんなこと言ったところで、今すぐに兄が変わるわけがないんだもんね。

「だからさ、その……わがまま招致でお願いするんだけどさ…………クラインはいつも通り、兄を接してく
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