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SAO:tr6―お人好し―
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るけどそんな感じがした。数少ない美少女二人を目の前にいて、クラインみたいな独身男性が緊張気味で好意を受けようとするのも、ギャルゲー主人公の友人にありがちだからわからなくもない。

「と、特技はぶほっ!?」

 そんな二十四歳独身さんの自己紹介を強制終了させる、兄の腹パンを与えられた。

「「「「「リーダー!!!!!」」」」」

 後ろに下がっていた五人のパーティーメンバーがガシャガシャ駆け寄ってきて、クラインを助けると思ったら、全員我先にと口を開いてアスナに自己紹介を始めた。
 風林火山は全員独身で餓えているのね。一人くらいはまとめ役で冷静な人いれなさいよ。または彼女持ちの人でもいいからさ。

「餓えているわね……」

 一人冷静にと言うかマイペースで、お茶を飲み呟くドウセツ。

「でも悪い人じゃないから安心して」

 むしろ精神的に頼れる人。男子プレイヤーの中では一番仲が良いって断言出来るし、いろいろと素直に話せる相手でもある。その証拠としては、人付き合いが苦手な兄が遠慮なしに腹パンができる相手は信頼している証拠だ。普段の兄だったら考えられない行動だもの。
 でも兄は未だに、二年前……デスゲームが始まった日から兄がクラインを見捨てたことに自己嫌悪を抱いている。
 クラインは強くなったよ。クラインは他のゲームで知り合った仲間達をここまで誰一人も失わずに生きてきたんだ。今ではクライン率いる『風林火山』というギルドは攻略組の一角を占めるまでに登り上がってきたんだよ。
 だから兄はもう自分を許してもいいんじゃないの?
 それを言ったら……私も人のこと全然言えないんだけどね。
 むしろ、私にそれを言う資格なんてないのかもしれない。
 ……駄目だね。私まで自分を追い込んでしまったら、いろいろと申し訳ないよね。ちゃんと生きるって決めたんだ。

「クライン。ちょっとこっち来てー」
「お、おい! なにすんだよ! おい、キリト覚えておけよ!」

 短いやり取りに何があったのだろう。兄に対して何かしらの嫉妬心を抱いていたような殺気を感じたんだけど、まぁいいや。
 とりあえずクラインのバンダナの尻尾を引っ張り、兄に聞こえないところまで連れていった。

「なにすんだよ! 俺は一発、いや五発ぐらいキリトに殴らないと気がすまねぇ!」
「一体何があったの? なんとなくわかりそうだけど……」

 クラインは歯ぎしりに乗せて殺気をこもった声で答えた。

「くそ、キリトのやろっ……いつの間にあのアスナさんとパーティー組みやがって……」
「要は羨ましいと」
「ああそうだ! 羨ましいんだよ!」

 開き直るように声を上げ、「チクショー」っと唸った。それはまるで夢が覚めた瞬間だったように全身を表して悔しがる。
 えっと
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