SAO:tr6―お人好し―
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「私を置いて走り去るなんて……ずいぶんといい度胸しているわね」
「「「ごめんなさい」」」
今、私達は正座をしながらドウセツのお説教を食らっていた。
というのも、私達はボスの恐怖と迫力に負け、精一杯逃げるのに必死だった。そのせいで、常に冷静でいたドウセツを置いてけぼりにしてしまった。
怒っているようには見えないけど、冷えた怒りの瞳をしている。私達が逃げたのは悪いけど、なんとかして宥めないと。
「で、でもさ。ぶ、無事で良かったじゃない。いや〜よかったよかった!」
「…………」
「すみません。以後気をつけます」
その淡々とした表情にある、瞳の奥でゴミを見るような冷酷無情に私を見ないでください。本当に反省していますので。
…………。
……でも、ドウセツの説教のおかげで改めて引き締まった気がする。
例えば私達が逃げたことによって、ドウセツが一人になってしまった。もし、ドウセツが逃げ遅れてボスとバトルの流れになったらどうなっていたんだろう。その可能性は完全にないとは言い切れない。
だからそういう最悪な可能性をなくすためにも気をつけないといけないね。うん、本当に気をつけよ。
「ごめん、ドウセツ。次は気をつける。足引っ張らないように頑張る」
「……別にそこまで真剣に謝られても困るのだけど。そこまで気にしていないし」
気にしていないんかーい。
それにちょっと待って。気にしていないのに私のことゴミを見る目をしたってこと?
……いや、今回は真面目に捉えて反省して、今後に生かす様に気をつけることにしよう。
じゃあ、話を切り替えてボスの話でもしよう。
「あのボスさ、第一印象だと大剣の脳筋タイプだと思うけど、兄はどう思う?」
「そうだな。俺もあのボスの攻撃は大剣一つだと思うけど、特殊攻撃ありだろうな」
「んー……それだと前衛に堅い人を集めてどんどんスイッチが有効になる?」
「そうなるな。あと、盾装備の奴が十人は欲しいな……。まぁ、当面は少しずつ、ちょっかいを出して傾向と対策って奴を練るしかないけどな」
「やっぱそうなるよ……」
兄とそんなことを話していると、アスナが意味ありげな視線を兄に向けていた。
それに気がついた兄はアスナに訊ねる。
「な、なんだよアスナ。なんか言いたいことあるのか?」
「……別に、わたしもキリト君とキリカちゃんの意見に賛成よ。ただ……盾装備ねぇ……」
そしてアスナは意を決して兄に問い詰めてきた。
「キリト君、なんか隠しているでしょ?」
「い、いきなり何を?」
「だっておかしいもの。普通、片手を装備できる最大のメリットって盾を持てることじゃない。でもキリト君が盾持っているところ見たことない。わたしの場合は細剣のスピードが落ちるから
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