587部分:第四十六話 馬岱、乳を羨むのことその一
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第四十六話 馬岱、乳を羨むのことその一
第四十六話 馬岱、乳を羨むのこと
劉備達は魏延に道案内を受けながら巴蜀に向かう。その中でだ。
「しかし益州ってのは」
「凄い山道だね」
馬超と馬岱が周りの険阻な岩山や深い森を見ながら話をした。
「話には聞いてたけれどな」
「ここまでなんて」
「そんなに凄いか?」
魏延は馬超に対して返す。馬岱はあえて無視している。
「ここは」
「だから凄いだろ」
「そうなのか。特にそうは思わないがな」
「これで凄くないとするとだ」
趙雲もその山には言う。
「南蛮はどうなるのだろうな」
「南蛮はこんなものではない」
実際にこう言う魏延だった。
「それこそ木々がさらに鬱蒼と茂りだ」
「鬱蒼とか」
「そして山ももっと険しい」
そうだというのである。
「おまけに猛獣も多いぞ」
「猛獣なのだ」
「そうだ、大勢いる」
張飛にもこう話すのだった。
「虎も豹も。大蛇もだ」
「そんなにいるのだ」
「だからここはまだ険しいうちには入らない」
そうだというのであった。
「この程度はな」
「そうか。私は北の方しか知らなかったが」
関羽は北の生まれだ。ここに来たのもはじめてだった。それで言うのだった。
「北とは木も違っているな」
「ええ。木も国によって違うのよ」
黄忠がその関羽に答える。
「北と南でね」
「そうだったのか」
「北に行けば暑くて南に行けば寒くて」
黄忠は気候についても話した。
「そうなるのよ」
「そうだったのか」
「ううん、それにしても」
劉備はいささか困った顔になっていた。
「暑いわね」
「暑いですか」
「うん、暑いわ」
こう魏延にも答える。見れば額にはうっすらと汗がある。
「私の服じゃちょっと」
「それはいけません」
すぐに心配する顔になって言う魏延だった。
「ではすぐに」
「すぐに?」
「脱ぎましょう」
こう劉備に言うのだった。
「上着でも」
「あっ、はい」
「そうすれば涼しくなります」
魏延は実際にだ。劉備の上着に手をかけようとしていた。
「では私が今から」
「有り難う、魏延さん」
「あのですね」
しかしだった。ここで孔明が魏延に言ってきたのだった。
「幾ら何でもここでは」
「むっ、何かあるのか」
「魏延さん桃香さんの服を脱がそうとしてますよね」
「そ、そうだが」
「あの、上着を脱がせたら」
「ブラだけになってしまいます」
鳳統も話してきた。
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