ペルソナ3
1777話
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影から出ると、そこは既に月光館学園の近くだった。
そのまま月光館学園の方に向かうと、途中で何人もの学生達とすれ違う。
もう最後の授業が終わってからそれなりに時間が経っているのだろうが、それでも意外と皆学校が終わってすぐに帰るという訳ではないらしい。
部活をやってる生徒もいれば、ただ放課後の教室に残って友人と喋っている生徒もいる。
中には体育館倉庫とか屋上とか使っていない教室とかで、恋人とイチャついたり……見つかれば停学や退学になる行為をしている者とかもいる可能性はある。
「ねぇ、ちょっとあの人ってもしかして昨日ネットで噂になってた……」
「ああ、1年生の中でも人気のある人の恋人だっけ? 失恋残念スレが立ったとかいう」
「そうそう、今朝ネットを見たら、15スレまで進んでたわよ?」
「……何でそんなに進むのよ? 一体何があったの? いやまぁ、結構格好いいとは思うけど」
「男の嫉妬ってのは、見苦しいのよ。それこそ格好いいからこそ嫉妬で身を焦がすんでしょ」
二人の女がそんな会話をしながら、歩いていく。
本人達は小声で話しているつもりなんだろうが、生憎と俺は混沌精霊だ。
この程度であれば、当然のように全てを聞き取る事が出来る。……出来て、しまう。
にしても、今の話を聞く限りだと、ゆかりって俺が予想していた以上に男に人気らしい。
実際こうしてみても、すれ違う何人かから嫉妬の籠もった視線を向けられているのだから、その気持ちも分からないではないのだが。
「ちょっといいか?」
月光館学園目指して歩いていると、不意にそんな声を掛けられる。
声のした方を見ると、そこには3人の男。
……ただし、最初は俺に喧嘩を売ってくるのかと思ったんだが、こうして見る限りでは違うらしい。
ポートアイランド駅の裏側にいるような、いかにもって感じの不良ではなく、いたって普通の男達がそこにはいたのだ。
いや、普通の男であっても喧嘩を売ってくるような相手ではないと断言は出来ないんだが。
ただ、俺の外見は10代半ばだ。
基本的に普通の……相手の強さを見抜くような者が殆どいないこの世界では、俺の姿を見て、大人数で囲めば大丈夫だと、そう思った者がいてもおかしくはなかった。
「何だ? こっちはちょっと用件があって色々と忙しいんだが」
敢えてぶっきらぼうにそう告げるが、向こうから返ってきたのは予想外に申し訳なさそうな態度。
「あ、ああ。ごめんな。ただ、ちょっと聞きたい事があったんだよ」
どうやら特に喧嘩を売ってきているのではないと判断し、小さく溜息を吐いてから改めて口を開く。
「それで? 俺に用件ってのは?」
「君が、岳羽ゆかりさんと付き合っているという話が学校の中に広がっているんだ
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