Lv61 魔王アシュレイア( i )
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る。
【これは……念話の魔石の破片……これがどうしたというのだ?】
「それが何なのかは、この際どうでもいい。お前の失敗は、あの時の状況を考えなかったってことだ。俺達はヴィゴールとの死闘で、勝つには勝ったが、手酷い傷を負っていた。おまけに洞窟内は魔物達の支配域だった。その状況の中で、魔物達が用意したであろう得体の知れない物体が転がっていたら、普通の者ならば、直接手で触れるなんてことはしないだろう。何があるかわからないからな。しかし、お前はその辺の石でも拾うかのように、何の抵抗もなく、ソレを手に取り、俺に見せてくれた。俺はその時、疑いを抱いたんだよ。これが手で触れても大丈夫な物だと、ミロン君は前から知っていたのではないか、とね……」
それを聞き、アシュレイアは笑みを浮かべた。
【フッ、たったそれだけの事で疑われるとはね……では、魔王であると疑いを持ったのはいつなんだ?】
「それもあの時だよ。今のが切っ掛けでな。ヴィゴールは戦闘中、アシュレイアの声に頭を下げていた。俺はあの時、アシュレイアはどこか別の場所で見ていると考えていたが、それにしては妙な方向にヴィゴールは頭を下げているなと思っていた。なぜなら、俺達のいる方向に頭を下げていたからな。つまり、頭の下げる方向に奴の主であるアシュレイアがいたと仮定すると、2つの選択肢しかないってことになる。それは……俺達の背後に続く洞窟の奥か……もしくは、俺達の内の誰かって事にね。俺は君に疑念を抱いた事で、後者の方で考えたよ。他の理由からも、その方がシックリと来たんでね」
【ほう……では、あの時、私がお前達に攻撃するとは考えなかったのか?】
「その可能性も勿論考えたが、お前はやらないだろうと踏んでいた」
【なぜだ?】
「俺が魂の錬成薬を持っていると、お前は思っていたからだ。アレを浴びると、お前の計画に支障が出るんだろ? また相性のいい身体を探さないといけないらしいからな。それを裏付けるかのように、あの件があって以降……お前は俺に近づかなくなったしね」
ちなみにだが、魂の錬成薬は、もう持ってない。
あの時、もう少し確保しときたかったが、入れる器がなかったのだ。残念……。
【フッ……まぁそれもあるが、それだけではない……もう1つある】
「……俺達がヴィゴールを倒してしまったからか?」
【半分当たりだ】
「半分か……残り半分はなんなんだ?」
【コータロー……お前が予測不可能だったからだよ。お前があの逆境を、まさか、ひっくり返すとは思いもしなかったのでな。だから、あの場面では、無理はしない事にしたのだ。幾らグアル・カーマの法で力を得たとはいえ、本来の私の力には程遠いのでな。フッ……私にここまで思わせたのだ。誇るがいい】
「そりゃどうも……」
と、ここで、ウォーレンさんが話に入ってきた。
「ミ
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