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Dragon Quest外伝 〜虹の彼方へ〜
Lv61 魔王アシュレイア( i )
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証拠だ。ピオリム!」
 杖から淡く輝く緑色の霧が放たれ、味方全員に纏わりついてゆく。
 当然、先端の水晶球は何も反応しない。
「ね? 俺が唱えても何も起こらない。だからね、この杖が反応したのは、ミロン君の魔力としか考えられないんだよ。さて……そこで、問題です……教皇の魔力にしか反応しない杖が、なぜ、ミロン君の魔力に反応したのか? ……答えは簡単だよね。君が教皇本人だからだよ。もうこれ以上の証拠はないだろ、ミロン君?」
 ミロンはずっと俯いたままであった。
 俺はそこでレヴァンに視線を向ける。
【チッ……】
 レヴァンは舌を打ち、苦虫を噛み潰したような表情になっていた。
 と、ここで、シャールさんが話に入ってきた。
「コータローさんでしたっけ、1ついいかしら?」
「なんでしょう?」
「先程、審判の間で、レヴァンがあの杖を掲げた時は光り輝いてましたわよ。それについては、どうなるのかしら?」
 今の質問は、俺も疑問に思ってた事だ。
 あの場面では光り輝いていたが、その後、奴が魔法を使った時は何の反応もなかったので、俺も少し混乱したのである。が……蓋を開けてみれば単純な仕掛けであった。
「その謎は簡単ですよ。レヴァンが杖を掲げたところまで、魔力を送る道があったからです。しかも、ウォーレンさん達がいた辺りまでね。それについてはアヴェル王子と共に実験も行いましたので、まず間違いないでしょう。王子がその証人です」
 シャールさんは王子に視線を向ける。
 アヴェル王子は頷いた。
「シャール殿……コータローさんの言っている事は本当ですよ。俺自身が、それを体験しましたから」
「そうなの。なら……もう決まりね」
 シャールさんはそう告げると、杖を手に取り、いつでも魔法を行使できる態勢に入った。
 と、その時である。
 ミロン君がゆっくりと顔を上げ、不敵に微笑むと、容姿に似つかわしくない低い声色で、別人のように話し始めたのであった。

【フッ……光の王笏を出されては、流石に、もう言い逃れはできないか……。そうだ、コータロー……私が教皇にして魔の世界の王だ。よくわかったな……いや、流石というべきか……いつから気付いていた? 今の口振りじゃ、ついさっき気付いたというわけでもあるまい】
「お前に疑念を抱いたのは……ヴィゴールを倒した後……俺とアヴェル王子とウォーレンさん、そして、お前の4人で、洞窟を調べていた時だよ」
【ほう……そんな頃から気付いていたとはな……で、何が原因で気付いたんだ? あの時は、そんなヘマはやらかしていない筈だが】
 俺は道具袋の中から、黒い破片を取り出し、奴の前に投げた。
「いや、お前はとんでもないヘマをしていたよ。あの時、これを無造作に拾って、俺に見せたのだからな」
 アシュレイアは俺の投げた物体を拾い上げ
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