Lv61 魔王アシュレイア( i )
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、魔王が一体誰なのかを教えてやるよ。……イシュマリアが建国されて以来、3000年もの間、イシュラナという女神を隠れ蓑にし、この国に災いをもたらし続け……この国を間接的に牛耳ってきた黒幕……それは、イシュラナ教団の最高責任者たる教皇だ。そして……その教皇は今、魔王でもあり、この地に更なる大きな災いを起こそうとしている。その災いの元凶である教皇とは、一体誰なのか? それは…………お前の事だッ!】
俺は檻の中に残っている人物を指さした。
この場にいる全員が、檻の中にいる人物に視線を向ける。
その人物は、驚きの表情で俺を見ると、非難の声を上げた。
「ちょ……ちょっと、コータローさん! こんな時に、一体何を言ってるんですかッ! ぼ、僕が教皇で、魔王だなんて、そんな事ある筈ないでしょッ! 酷いですよッ!」
「いや、君だよ……君が教皇にして魔王だ」
レヴァンの嘲笑う声が聞こえてくる。
【クハハハッ……何を言うのかと思えば……よりにもよって、そんなガキが魔王だと! 馬鹿にするにもほどがあるぞ、コータロー! 魔王はこの私だ! クハハハッ】
そこで、アーシャさんが話に入ってきた。
「コータローさん、ミロンさんが魔王だなんて、そんなことある筈ないですわ。だって、私達にあれだけ尽くしてくれたのですよ。幾らなんでも、それはないですわ」
続いてサナちゃんも。
「コータローさん……ミロンさんは私達と一緒に捕らわれていたんですよ。それが魔王というのは……」
「そ、そうですよ。アーシャ様やイメリア様の言う通りです。僕が魔王なわけないじゃないですかッ! 幾らなんでも酷過ぎますよ! コータローさんが、こんな酷い事を言う人だなんて、思いもしませんでしたッ!」
ミロン君は軽蔑の眼差しを俺に向ける。が、俺は構わず言った。
「いや、君だよ」
他の者達は黙って、俺とミロン君のやり取りを見ている。
と、ここで、ミロン君は泣きそうな表情でションボリと肩を落とし、ウォーレンさんに助けを求めたのである。
「ウ、ウォーレン様! コータローさんが僕の事を教皇にして魔王だなんて言ってます。ウォーレン様からも言ってくださいよ……そんな事あるわけないって……こんなのってないですよ」
ウォーレンさんは悲痛な面持ちで、俺に視線を向けた。
「コータロー……ミロンはこう言っている……なぜミロンが教皇だと思うんだ?」
「彼じゃないと説明がつかないからですよ。逆に言えば、彼が教皇ならば、全ての辻褄が合うということです」
ミロン君は俺を睨みつける。
「そこまで言うのなら、聞きますけど、僕が教皇だという証拠はあるんですか? ないなら話になりませんよッ」
俺は彼に微笑んだ。
「証拠なら、ちゃんとあるよ」
「馬鹿な……そんなものあるわけがないッ。だったら見せてくださ
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