Lv61 魔王アシュレイア( i )
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女を先頭に檻の外へと出てきた。
フィオナ王女は俺達に深く頭を下げる。
「コータロー様、そして皆様……助けに来ていただき、本当にありがとうございます」
ルッシラさんは王女に跪き、頭を垂れた。
「フィオナ様、よくぞ、御無事で」
「ルッシラ……ありがとう。私は大丈夫です」
アーシャさんとサナちゃんは涙を浮かべ、俺に抱き着いてきた。
「コータローさん……」
「コータローさぁん……ヒグ……」
「2人共、無事でよかった」
俺は彼女達を優しく抱きしめた。
続いて、レイスさんとシェーラさんが、サナちゃんの元で跪く。
「イメリア様、ご無事で何よりです」
「申し訳ございません、我等が至らないばかりに、このような目に遭わせてしまい……」
「レイスにシェーラ……気にしないで……私は貴方達に、感謝してもしきれないのですから」
【イメリア様……】
レイスさんとシェーラさんは、その言葉を聞き、少し涙ぐんでいた。
と、そこで、痺れを切らしたのか、レヴァンが声を荒げたのである。
【私を……無視するなァァァァァァッ! 貴様ァッ! 私の質問に答えろッ! 私が偽物だというのなら、本物はどこにいるというんだッ! 答えろッ!】
俺はレヴァンに振り向き、穏やかに言ってやった。
【まぁ、そう慌てるなよ。モノには順序ってもんがある。さて、では次にアルシェス王子、外に出てください】
「あ、ああ……」
眼鏡をかけた赤髪のイケメン青年が、若干キョドリながら返事をし、檻の外へと出てきた。
アルシェス王子はセミロングのストレートな赤髪で、今は、古代ローマの貴族風の衣に身を包んでいた。
背丈は俺より少し低い。全体的に痩せ型で、筋肉質なアヴェル王子と比べると対照的な体型であった。
なんとなくだが、アヴェル王子が戦士系で、アルシェス王子は魔法使い系といった感じである。
まぁそれはさておき、レヴァンがまた喚わめきだした。
【順序があるだと……わけのわからん事を言ってないで、早く答えろッ! それとも、ただ単に、デタラメを言っただけなのかッ、クハハハハッ】
レヴァンの笑い声が響く中、俺はそこで皆の顔を見回した。
アヴェル王子とウォーレンさん、そしてレイスさん達は俺をジッと見ていた。
俺は4人に向かい、ゆっくりと首を縦に振る。
4人は真剣な表情で、俺に頷き返した。
他の者達は、心配そうに俺を見詰めている。
シャールさんだけは、興味深そうに、俺へと視線を向けていた。
隣にいるアーシャさんとサナちゃんは、不安げな表情で俺を見上げている。
「コータローさん……」
この場に静寂が訪れる。
そんな重苦しい空気の中、頃合いと見た俺は、そこで真実を告げることにしたのである。
【いいだろう……本物の教皇にして
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