Lv61 魔王アシュレイア( i )
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ロン……ミロンは生きているのか?」
【フフフッ……安心しろ。死んではいない。この体の持ち主は、私であり、ミロンだ。とはいっても、それはあくまでも魂の話だがな。奴の記憶と身体は、私がそのまま引き継いでいる。今の私はアシュレイアであり、ミロンだ】
「クッ……1つ訊きたい。ギルレアンの研究記録を城の書庫からお前は見つけてくれた……あれもお前の筋書きなのか……」
アシュレイアは鼻で笑う。
【フッ……そういえば、そんなモノを渡したこともあったな……まぁ今となってはどうでもいい話だ。が、まぁ一応、そうだっと言っておこう】
「一体何の為に、あんな事を……」
【自分で考えろ……もうどうでもいい話だ】
俺が答えておいた。
「ウォーレンさん……奴があの研究記録を持ち出したのは、恐らく、アヴェル王子とウォーレンさんを異端審問に掛ける為の仕込みですよ。ヴァロムさんの件が片付いたら、お2人を捕らえるつもりだったんだと思います」
「何!?」
【流石に頭の回転が速いな……その通りだ。お前達は、余計なことを調べていたんでな】
「我々は……ずっと……お前の掌の上で踊らされていた……というわけかッ」
アヴェル王子はそう言って、ワナワナと握り拳を震わせた。
【ああ、そうだ。もう少し踊っていてもらうつもりだったが……想定外の者が現れたのでな。今にして思えば、あんなモノをお前達に渡したことが悔やまれる。その所為で、コータローを招き入れたようなモノだからな】
そこで言葉を切り、アシュレイアは俺に視線を向けた。
【コータロー……お前は厄介な奴だ……僅かな綻びから全てを紐解き、真相に辿り着いてしまう。お前のような奴がもっと昔に現れていたならば、我々の計画は、こうもすんなりとはいかなかったであろう。それについては、私も素直に、賛辞の言葉を贈ろうではないか。敵ながら、感心するよ】
アシュレイアはゆっくりと柏手をし、俺を称える仕草をした。
そして、懐から黒い水晶球を取り出したのである。
俺はそこで魔光の剣を手に取った。
他の皆も武器を構える。
そんな俺達を見て、アシュレイアは歪んだ笑みを浮かべた。
【だが……そんなお前も、今回ばかりは詰めを誤ったようだな。何れにせよ、ここでお前達は終わりだ。フッ……正体を明かさずにお前達を始末するつもりだったが……こうなった以上は仕方あるまい。魔の世界の王であるアシュレイアとして、私が直接、お前達を始末してやろう……】
俺はそこで奴に訊ねた。
「1つ訊きたい……お前は仮にも魔の世界の王だ……王がわざわざ前線に出向いてまで、こんな面倒な事をする理由はなんなんだ?」
【フッ……聞きたいか、ならば冥途の土産に教えてやろう。エアルスが薄汚いお前達に与えた、この美しき世界……それを我等の物とする為だよ。これが太古の時代か
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