Lv61 魔王アシュレイア( i )
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嫌な気配を感じます。ここからは今まで以上に周囲に警戒しながら、ゆっくりと進みましょう。罠の類があるかもしれませんから」
「ええ」
物音を立てないよう注意しながら、俺達はゆっくりと静かに進んでゆく。
ちなみにだが、先頭は俺とアヴェル王子だ。
後ろを振り返ると、皆の表情はいつになく、険しい表情であった。
アヴェル王子やレイスさん達は、いつでも抜けるよう、剣の柄に手を掛けた状態で、静かに足を前に出している。
俺も彼等と同じで、いつでも呪文を唱えれるよう、常に魔力コントロールしている状態であった。
そんな感じで入口に近づいてゆくと、向こうから話し声が聞こえてくるようになった。
俺は右手を横に伸ばし、『止まれ』のシグナルを後ろの者達へと送った。
全員、そこで立ち止まる。
そして、俺は話し声に耳を傾けたのである。
「な、なぜですの……魔法が発動しない……」
【馬鹿めッ! その中では、呪文はかき消えるようになっているのだ。拘束してはおらぬが、貴様等は捕らわれの身だという事を忘れるなよ。ガルゥ】
今の会話を聞き、俺達は顔を見合わせた。
俺はそこで、口元に人差し指をやり、静かにというジェスチャーをする。
そして、忍び足で入口の方へと行き、壁を背にしながら、俺はそっと中の様子を窺ったのである。
入口の向こうは、丸いドーム状の空間となっていた。
今見た感じだと結構広い。円形の床は直径が50mくらいはありそうで、天井は高い所で10mはあるように見える。
また、床や壁はこの通路と同様、全て石造りであった。
それと、中はやや薄暗いが、あの丸い石みたいなモノによって照らされている事もあり、そこまで視界は悪くないようである。
とまぁ、そんな感じの様相だが……それ以上に目を引く存在がこの空間にはあった。
それは何かというと、この空間内には、人の入った鉄格子の檻と魔物、そして……不気味な椅子に腰掛ける人物が1人いるという事である。
位置的な事を言うと、俺達から見て左端には四角い檻があり、その付近には魔物が数体、それから右端に、歪な形をした真っ黒い玉座のようなモノが置かれていた。
ちなみにだが、俺達のいるこの入り口は、それらの間に位置している。また、他に出入り口は無いようだ。つまり、この空間は行き止まりという事である。
で、その檻だが、中にはアーシャさんやサナちゃん、それから、ミロン君やフィオナ王女達の姿があった。
檻の中にいる者達は皆、目が覚めたばかりといった風だが、全員起きているところを見ると、夢見の邪精による呪いからは、どうやら解放されているようだ。
恐らく、この空間の中にいる誰かが、呪いを解いたのだろう。まぁ誰かは見当ついているが……。
それから、反対にある玉座だが、そこには教
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