Lv60 暗黒の瘴気
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した。わ、我々は……これからどうすれば……」
アヴェル王子はそう告げると共に、元気なく項垂れた。
それは他の者達にしても同様であった。
とはいえ、シャールさんはそうでもなかったが……。今は石像群を興味深そうに見ているところだ。
まぁそれはさておき、ヴァロムさんは皆に言った。
「生き残ったのは我々だけじゃ……このまま進むしかあるまい。戻ったところで、これだけの精鋭はもう連れて来れぬ。それに……そんな時間は、魔物達が与えてくれぬじゃろうからの」
「しかし、父上……我々だけで倒せるのですか。あのような非道な手段を用いてくる魔物を相手に……。この先どのような罠が待ち受けているかわかりませぬぞ」
ディオンさんは肩を落とした。他の者達も元気なく俯いている。
この場にいる者達は、一部を除き、魔物に対して畏怖している状態であった。
重苦しい沈黙が訪れる。
(これだけ士気が下がると不味いな……多分、今のまま進むと悪い方向に向かう気がする……うまくいくかどうかわからんが、俺が鼓舞してみよう)
俺は皆に告げた。
【確かに……甚大な被害が出てしまいました。ですが、アシュレイアと戦うまでは……これ以上大きな罠はないと私は見ています。それに、あのような手段を用いてくるという事は、裏を返せば、魔物側が追い詰められているという事の証だとも言えます。ですから、進みましょう、皆さん】
すると、宮廷魔導師の若い男が、俺に食って掛かってきたのである。
「これ以上、罠はないだと……何を根拠にそんな事が言えるッ! 大体、お前は何様のつもりだッ! ヴァロム様の弟子であるというだけで、偉そうに言うなッ! 俺は……し、親友が……目の前で石にされてしまったんだぞ……わかるか、この気持ちが……ウウゥゥ」
その男は両膝を地面に付け、頭を抱えて蹲った。
ここにいる者達は皆、悲痛な面持ちで、その男に視線を向けていた。同じ気持ちなのだろう。
(士気をあげるには、希望の光が必要だ。また賭けになるが……杖の力を試すしかない……今度は上手くいってくれよ……)
俺は内心祈りながら、ポーカーフェイスで話を続けた。
「この石化は……恐らく、治せます。ただし、一度に何人もは治せないので、時間は掛かります。ですから、その為にも、魔物を今すぐ倒さないといけないんです」
蹲る宮廷魔導師の男は、勢いよく顔を上げた。
「な、治せるだって……一体、どうやって!?」
「本当ですかッ、コータローさんッ!」
「本当か、コータロー!」
俺はストロスの杖を皆の前に出した。
「以前、アヴェル王子から頂いた、この杖を使えば、治せる筈です」
「え? こ、この杖が……」
アヴェル王子は首を傾げていた。
(論より証拠だ……もう実践するしかない)
俺はそこでヴァロムさん
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