Lv60 暗黒の瘴気
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、ヴァロムさんが俺の所にやって来た。
こちらに来たのはヴァロムさんだけで、他の者達は皆、周囲の石像を見て、意気消沈の様子であった。
完全に士気が下がっている状態だ。
無理もない。こんな光景を目の当たりにすれば、こうなるのも当然だろう。
俺だって逃げ出したい気分である。
「コータローよ、よくやった。怪我はないか?」
「はい、なんとか……」
「そうか、それはよかった。しかし……大変な事になってしもうたの。まさか、あのような手段で我等に襲い掛かろうとは、考えもせなんだ」
「ええ」
ヴァロムさんはそこで、俺の首にぶら下がるラーの鏡に視線を向けた。
「さて、ラーさん……ここで想定外の事が起きたが……この者達を治す方法はあるのか?」
「方法はあるにはある……」
「ほう、あるのか。……して、どのように治すのじゃ?」
「コータローが持っている、ある杖を使えば、恐らく、治せる筈だ」
多分、あの杖の事だろう。
石化解除となるとあれしかない。
「もしかして、ストロスの杖の事か?」
「うむ。あれならば……って、お主、なぜその杖だとわかった?」
面倒だから流しとこう。
「消去法だよ。それしか該当するのがないじゃないか。それはともかく、あの杖を使えば、治せるんだな?」
「多分な」
「多分かよ……。でも、何れにしろ、杖を用意しなきゃな。……フォカール……」
俺は呪文を唱え、空間からストロスの杖を取り出した。
と、そこで、オッサンは言う。
「ただし、その杖で使用できる精霊の力は限りがある。一度に治せるのは3名程だろう」
「3人治したら、もう杖はずっと使えないのか?」
「いや、今日は使えんというだけだ。時間が経てば、また精霊の力は満たされる。そうすれば、使えるようにはなる」
俄かには信じがたいのか、ヴァロムさんは少し怪訝な表情をしていた。
「今、多分というたが、ラーさんも確証は持てぬのか?」
「まぁ我も試したことがないんでな。ただ、我の予想では、ストロスの力ならば、恐らく、治せるだろうと思っている。あの状態は、暗黒の瘴気に蝕まれた結果なのでな。ただし、石像が欠損したりすると、完全な復活は出来ぬから、衝撃を与えぬようにな」
ドラクエでは石化イベント自体が少ないから、あまり気にはしなかったが、今のは説得力がある話だ。
とりあえず、他の人達にも、話しておいたほうが良いだろう。
「ふむ、3人程か……ならば、まずは、あの者達で試すしかあるまい」
ヴァロムさんはそこでレイスさん達を指さした。
「ですね……ン?」
と、そこで、回避できた他の者達も、こちらの方へとやって来たのである。
皆の表情は暗く、明らかに、怯えのようなモノが見え隠れしていた。
「ヴァロム様……騎士や宮廷魔導師達が、石になってしまいま
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