Lv60 暗黒の瘴気
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でも奴等の半分は削るように言われている。だから、やるぞ!】
【わかった!】
(ヤ、ヤバい……奴等はもう行動に出るつもりだ。チッ、どうすればいい……)
程なくして、俺の下に、どんよりとした雨雲が広がり始めた。
その直後、リーダー格のドラゴンライダーは雨雲の上に素早く行き、妙な呪文のようなものを唱えると共に、手に持った壺を逆さにしたのである。
すると次の瞬間、壺から黒っぽい液体のようなモノが、少しづつ下の雲へと注がれたのだ。
その黒い液体は雨雲に到達するなり、ドライアイスのように気化して雲の上を這うようにして広がってゆき、そして消えていった。
それは、あっという間の出来事であった。
「ま、不味い……あの禍々しい瘴気を浴びたら、大変な事になるッ。コータロー、下の者達に、すぐに逃げるよう、指示するのだ!」
俺は大きく息を吸い、下に向かって目一杯に叫んだ。
【全てを石に変える、呪われた雨が降りますッ! 早く逃げてくださいッ!】
ヴァロムさんの声が聞こえてくる。
【皆の者! 呪われた雨が降るぞッ! 一時退却じゃ! 一刻も早く、雨雲の外に出るのじゃ! 急げ!】
程なくして、ザーという、雨が地上に降り注ぐ音が聞こえてきた。
そして次第に、悲鳴のような叫び声が、聞こえてくるようになったのである。
【か、身体がァァァ! 石にィィィ】
【馬鹿な! こ、こんな事がァァ! こんな事がァァァッ!】
どうやら、逃げ遅れた者達がいたという事なのだろう。
悲鳴のような声は至る所から上がっていた。
もしかすると、被害者はかなり多いのかもしれない。
それから暫くすると、雨雲は晴れてゆく。
そして、その下には、敵と味方が入り混じった幾つもの石像群が、不気味に佇んでいたのであった。
退却中の者や、魔物と戦っている最中の者……そういった生々しい石像達が……。
(クッ……このままじゃジリ貧だ……今の雨で半数以上は石化したと見て良いだろう……どうすりゃいい。ここからじゃリーダー格のドラゴンライダーは、魔導の手の圏外だ。おまけに、乗っ取ったはいいけど、ドラゴンは言う事聞かないし……完全にお手上げだ……)
と、そこで、ラーのオッサンの声が聞こえてきた。
「コータロー、ラーの鏡にあの魔物を写せ」
「何をするつもりだ?」
「この距離ならばモシャスを使える。我がお主の翼となろう」
「その手があったか! 頼む、ラーさん」
俺はラーの鏡をドラゴンライダーに向けた。
その直後、鏡は眩い光を放ちながら、ドラゴンライダーへと変身したのである。
「乗れッ、コータロー! あの魔物達を倒すぞ!」
「ああ、とっととやっちまおう」
俺が竜に乗ったところで、ラーのオッサンは、翼を大きく羽ばたかせて上昇した。
それから程
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