Lv60 暗黒の瘴気
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して壁を登ってゆく。
その途中、ヴァロムさんの大きな声がこの場に響き渡った。
【皆の者! 敵は雨雲の杖を使い、得体の知れない雨を降らせるつもりじゃ! 戦闘中で難しいかもしれぬが、雨雲ができたらすぐに退避せよ!】
【ハッ】
ヴァロムさんはとりあえず、皆に忠告してくれた。
だが、これだけ入り乱れるように戦闘していると、離脱するのはなかなか難しいだろう。
(その前に、なんとか、あのドラゴンライダーを対処できるといいが……)
程なくして境界門の天辺へとやってきた俺は、そこで恐る恐る下を見た。
蟻のように小さく見える魔導騎士や宮廷魔導師、そして地獄の鎧達の姿が視界に入ってくる。
高所にいる為、身の竦む思いであったが、俺は無理やり意識を切り替え、上空のドラゴンライダー達へと視線を向けた。
奴等との距離は凡そ、30m。まだわずかに魔導の手が届かない距離であった。
(まだ少し遠いな……壺を持ったドラゴンライダーはアレか、ン?……1……2、3、4……5……あれ、もう1体はどこだ……)
と、そこで、絶叫にも似た、ウォーレンさんの大きな声が聞こえてきたのである。
【コータロー! 後ろだァァッ!】
俺は慌てて振り返る。
その刹那、俺の眼前に、大きく開いたドラゴンの顎が迫っていたのである。
(どわぁぁ! ヤ、ヤバいィ、喰われるゥ!!)
涎に塗れた鋭利なドラゴンの牙が、俺に目掛けて襲い掛かる。
【クククッ、バカめッ! 竜の餌食になるがいいッ!】
咄嗟の出来事に、俺は後ろへ倒れながら仰け反った。
当然、俺はバランスを崩し、壁から落下し始める。が、しかし、ドラゴンライダーの攻撃をなんとか間一髪でかわす事ができた。
(チッ……こうなったら、イチかバチかだ。このドラゴンライダーをハイジャックして、ピンチをチャンスに変えてやる……うまくいくかわからんけど)
俺は落下しながらも、攻撃してきたドラゴンライダーへと魔導の手を伸ばした。
そして、見えない手でドラゴンの足を掴んだところで、俺はドラゴンライダーと共に空を飛んだのである。
(まさか、こんなスタントまがいのアクションをする羽目になるとは……とほほ……)
下を見ると、何体もの地獄の鎧と戦う魔導騎士達が、さっきよりも更に小さく見えた。
距離にして、恐らく、上空50mといったところである。
(めっちゃ高いやんか……怖ッ……って、ビビってる場合じゃない。早くあの壺を何とかしないと……。まずは、この竜に騎乗してる騎士に退場してもらうとしよう……)
俺は魔導の手を使い、ドラゴンの腹に接近する。
そこで魔光の剣を発動させ、騎乗する騎士の足を斬りつけた。
【グァ! オノレェ、貴様! そんな所にいたのかッ、しぶとい奴め! ぶち殺してくれる!】
苦悶の声と
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