Lv60 暗黒の瘴気
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いが……仕方ない。今のこの状況だと、細かい説明してる暇がないから、俺が何とかするしかないか……それに、遺言の内容が正しければ、あの黒い壺は下手な扱いができない……)
俺はそこで覚悟を決めた。
「ヴァロムさん……うまくいくかどうかわかりませんが、俺に考えがあります」
「なんじゃ、言うてみよ」
俺はそこで、リーダー格のドラゴンライダーを指さした。
「この魔物達の計画は、恐らく、指揮官と思われるあの魔物が要だと思います。なので、俺が奴を抑えに行ってきます」
「しかし、あの高さじゃ。空を飛ばん限り無理じゃぞ。とてもではないが、地上からでは魔法は届かぬ。どうするつもりじゃ」
「これはある種の賭けになりますが、魔導の手を使って気付かれないよう境界壁の天辺に行き、あの魔物を捕まえるしかないでしょう。上空にいる魔物は、俺の予想だと、地上には近づかないと思いますから」
「……できるか?」
「我々には空を飛ぶ手段がありませんから、やらなければ道が開けません。ですが、確実にうまくいく自信もありません。なので、雨が降りそうになったら、すぐに逃げてください。背後にも魔物がいるので難しいですが、それしか回避する方法がありません……残念ですが……」
「確かに賭けじゃな……何人必要じゃ?」
「俺1人でやります。敵に気付かれるとやりにくいので」
「そうか……ならば、任せたぞ、コータロー」
「はい。では行ってきます」
そして、俺は魔物達に気づかれないよう、境界壁へと向かったのである。
魔導騎士と地獄の鎧が入り乱れて戦う中、俺は境界門の近くにある壁に辿り着いた。
と、そこで、アヴェル王子とウォーレンさんがこちらへとやって来た。
「コータローさん、何をするつもりなのですか?」
「おい、コータロー。何かするのなら手伝うぞッ」
この2人にも簡単に説明しておこう。
「奴等の思惑が分かりましたので、今からこの壁をよじ登って、リーダー格と思わしき魔物を倒しに行ってきます」
「思惑が分かっただって!? 奴等は一体、何をするつもりなんだ?」
「奴等は恐らく……雨雲の杖を使い、全てを石に変える雨をこの場に降らせるつもりです。つまり、これらの石像と同じように、俺達を石にするつもりなんですよ。そして……バスティアンの遺言に記述してある魔物達の会話は、恐らく、これの事を指しているんだと思います」
「な、なんだって……」
「俺達を石にするだとッ!」
今の内容が衝撃的だったのか、2人は大きく目を見開いていた。
俺は構わず続ける。
「そういうわけですんで、ちょっと行ってきます。雨が降りそうになったら、すぐに逃げてください」
それだけを告げ、俺は魔導の手を使い、境界壁を登り始めたのである。
俺は魔物達に気づかれないよう、静かに魔導の手を伸ば
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