Lv60 暗黒の瘴気
[13/14]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
るのかまではわからなかった。人なのか、魔物なのかが……。
声の主はアーシャに優しく語り掛けた。
【我が名はアシュレイア。サンミュトラウスのアヴェラス地方を治める大公とでも申しておきましょうか。まぁ貴方がたが言う、魔王といったところです……クククッ】
「ま、魔王……な、何を言ってるんですの……それに、サンミュトラウス? アヴェラス?」
アーシャが狼狽する中、とある方向から、猛々しい獣のような声が発せられた。
【ガルゥ……薄汚い、この地のゴミ共が! 我が主に対する無礼は許さんぞッ!】
「ヒッ……」
アーシャは声に振り返るや否や、息を飲んだ。
なぜなら、そこには恐ろしい形相を浮かべる魔物達の姿があったからである。
アーシャに声を荒げたのは、山羊のような大きな角と、背中に蝙蝠のような翼を生やした大きな体躯の魔物であった。上半身は赤い肌をした人間のような体型だが、下半身は牛のような蹄を持つ獣のような姿をしている。非常に獰猛な雰囲気を持つ魔物である。
その他にもいたが、その内の何体かはアーシャも見た事がある魔物であった。4本の腕と足を持つ、黄色いライオンのような魔獣……アームライオンである。
魔物達は檻へと近づき、アーシャに睨みを利かせ、威嚇した。
「ま、魔物!」
アーシャは条件反射で、慌てて呪文を唱えた。
「ヒャダルコ」
だが、檻が淡く輝くだけで、何も起こらなかった。
「な、なぜですの……魔法が発動しない……」
【馬鹿めッ! その中では、呪文はかき消えるようになっているのだ。拘束してはおらぬが、貴様等は捕らわれの身だという事を忘れるなよ。ガルゥ】
魔物は大きな口を開け、威嚇するかのように吼えた。
(コータローさん……た、助けて……)
アーシャが怯える中、玉座に座る者は、毅然とした口調でそれを諫めた。
【よい。お前達は下がれッ】
【ハッ、アシュレイア様……】
魔物達は頭を垂れ、檻から少し離れる。
そして、玉座に座る者は話を続けた。
【さて、では時間もある事ですし、貴方の疑問に答えるとしましょう。サンミュトラウスとは、貴方がたが言う魔の世界の事ですよ。そして、アヴェラス地方とは、サンミュトラウスの南方にある地名のようなモノです。まぁとはいっても、貴方がたが、我が世界に来る事は未来永劫あり得ませんから、覚えなくても結構ですがね……クククッ】
と、そこで、他の者達も目を覚まし始めた。
「ンン……ど、どうしたんですか……大きな声を出して……って、え!? ここはどこだッ!」
声を上げたのはミロンであった。
「ミロンさん、私達はどうやら、魔物に捕まってしまったみたいですわ」
「え、ど、どういう事ですか!?」
続いてイメリアやフィオナ、そしてアルシェスも目を覚ました。
「何かあったのです
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ