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Dragon Quest外伝 〜虹の彼方へ〜
Lv60 暗黒の瘴気
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来はない! 行こう! そして、必ず勝ち、このイシュマリアに平穏を取り戻すんだッ!】
【オオッ!】
 アヴェル王子の宣言により、残った者達は完全に士気を取り戻した。
 そして俺達は、気を引き締め直し、進軍を再開したのである。

 話は変わるが、進軍を開始したところで、シャールさんが俺の隣にやって来た。
 そこでの会話は以下のとおりである。
「フフフ……貴方、なかなかやるわね。さっきの戦いぶりも見事だったわよ。それに……面白そうな魔法や魔導器を一杯持ってるのねぇ……ウフフフ」
「いや、まぁそんな大層なもんじゃないですよ……ナハハ」
 嫌な予感がしたので、俺は笑って誤魔化しておいた。
「あらあら、謙遜しちゃって……でも……あんな魔法見た事ないわよ」
「へ? あんな魔法?」
 ライデインの事だろうか? とも思ったが、彼女の口から出てきたのは予想外の魔法名だった。
「フフフ……さっき、貴方、妙な呪文を唱えて、空間に切れ目を入れて、あの杖取り出してたじゃない……確か、フォカールとか言って……フフフ。本当に面白い人ね」
「え!? み、見てたんスか?」
「一部始終見てたわよ、ウフフフ。中に色んな道具が入ってるのもね。ヴァロム様とだけ秘密を共有してるようだけど、貴方とは一度、ゆっくりとお話ししたいわね。この件が片付いたら、よろしくお願いしますわ。ウフフフ」
「ナ、ナハ……ナハハ……」
 この時のシャールさんは満面の笑顔であったが、なんとなく怖い微笑みであった。
 そして俺はというと、暫しの間、微妙な気分での行軍となったのである。


   [U]


 頬に感じる冷たい感触で、アーシャは目を覚ました。
「ン……ここは……」
 アーシャは瞼を開く。
 薄明かりに照らしだされた無機質な石畳の床が、アーシャの眼前に広がっていた。
「どこですの、ここ……」
 アーシャは体を起こし、周囲を見回した。
 すると、四方を囲う牢獄のような格子状の柵が、目に飛び込んできたのである。
 それは檻のようなモノであった。
「ここは……牢の中ですの?」
 檻の内側を見回すと、横たわる数名の者達がいた。
 それはアーシャのよく知る人物であった。
「サナさん、それからミロンさん……あれは……フィオナ王女にアルシェス殿下……なぜこんな所に……皆、眠っているんですの?」
 と、その時である。
 檻の向こうから、不敵な笑い声が響き渡ったのである。

【クククッ……お目覚めですかな、アレサンドラ家のお嬢様】

「だ、誰ですの!?」
 アーシャは声の聞こえた方向に振り返る。
 するとその先には、禍々しく歪んだ形をした黒い玉座のようなモノがあり、そこに何者かが座っていたのである。
 だが、少し遠い為、アーシャの目には、何が座ってい
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