Lv60 暗黒の瘴気
[12/14]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
来はない! 行こう! そして、必ず勝ち、このイシュマリアに平穏を取り戻すんだッ!】
【オオッ!】
アヴェル王子の宣言により、残った者達は完全に士気を取り戻した。
そして俺達は、気を引き締め直し、進軍を再開したのである。
話は変わるが、進軍を開始したところで、シャールさんが俺の隣にやって来た。
そこでの会話は以下のとおりである。
「フフフ……貴方、なかなかやるわね。さっきの戦いぶりも見事だったわよ。それに……面白そうな魔法や魔導器を一杯持ってるのねぇ……ウフフフ」
「いや、まぁそんな大層なもんじゃないですよ……ナハハ」
嫌な予感がしたので、俺は笑って誤魔化しておいた。
「あらあら、謙遜しちゃって……でも……あんな魔法見た事ないわよ」
「へ? あんな魔法?」
ライデインの事だろうか? とも思ったが、彼女の口から出てきたのは予想外の魔法名だった。
「フフフ……さっき、貴方、妙な呪文を唱えて、空間に切れ目を入れて、あの杖取り出してたじゃない……確か、フォカールとか言って……フフフ。本当に面白い人ね」
「え!? み、見てたんスか?」
「一部始終見てたわよ、ウフフフ。中に色んな道具が入ってるのもね。ヴァロム様とだけ秘密を共有してるようだけど、貴方とは一度、ゆっくりとお話ししたいわね。この件が片付いたら、よろしくお願いしますわ。ウフフフ」
「ナ、ナハ……ナハハ……」
この時のシャールさんは満面の笑顔であったが、なんとなく怖い微笑みであった。
そして俺はというと、暫しの間、微妙な気分での行軍となったのである。
[U]
頬に感じる冷たい感触で、アーシャは目を覚ました。
「ン……ここは……」
アーシャは瞼を開く。
薄明かりに照らしだされた無機質な石畳の床が、アーシャの眼前に広がっていた。
「どこですの、ここ……」
アーシャは体を起こし、周囲を見回した。
すると、四方を囲う牢獄のような格子状の柵が、目に飛び込んできたのである。
それは檻のようなモノであった。
「ここは……牢の中ですの?」
檻の内側を見回すと、横たわる数名の者達がいた。
それはアーシャのよく知る人物であった。
「サナさん、それからミロンさん……あれは……フィオナ王女にアルシェス殿下……なぜこんな所に……皆、眠っているんですの?」
と、その時である。
檻の向こうから、不敵な笑い声が響き渡ったのである。
【クククッ……お目覚めですかな、アレサンドラ家のお嬢様】
「だ、誰ですの!?」
アーシャは声の聞こえた方向に振り返る。
するとその先には、禍々しく歪んだ形をした黒い玉座のようなモノがあり、そこに何者かが座っていたのである。
だが、少し遠い為、アーシャの目には、何が座ってい
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ