Lv60 暗黒の瘴気
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に視線を向けた。
「やってみよ、コータロー。まずは、あの者達で試してみるがよい」
ヴァロムさんはレイスさん達を指さした。
高位武具を装備している外せない前衛戦力なので、ヴァロムさんもそこは汲んでくれたようだ。
「わかりました」
俺はレイスさんとシェーラさんの前に行き、ストロスの杖を前に掲げた。
そこで、俺は小さく囁いた。
「ラーさん……使い方を教えてくれ」
「コータローよ……杖の水晶球に触れて祈るのだ。そして、邪悪な穢れを祓い、清め給え、と心から願うがいい。さすれば、精霊ストロスは答えてくれよう」
俺はただただ祈った。
(精霊ストロスよ……この者達の邪悪な穢れを祓い、清め給え……)
するとその直後、杖の先端にある青い水晶球が輝き、光のシャワーのようなモノが発生したのである。
そして、それらが雨の如く、レイスさんとシェーラさんに降り注いだのだ。
光の雨は程なくして消えてゆく。
と、次の瞬間、彼らに変化が現れた。
なんと、石像が淡く輝き、石化が洗い流されてゆくかのように、本来の姿を取り戻していったのである。
全身の石化が解けたところで、レイスさんとシェーラさんはポカンとしながら、ボソリと言葉を発した。
「あ、あれ……我々は一体……」
「なんか頭がボーとするわ。って、あれ、ここは?」
2人は夢でも見ているかのような表情であった。
そこで、皆の驚く声が聞こえてくる。
【ほ、本当に治ったぞ……】
【あの杖は一体……】
俺は皆に振り返り、声高に告げた。
【御覧の通りです。この杖の力があれば、ここにいる者達は治せます。ですが、杖の力は限りがあるので、治せても、あと1名といったところでしょう。しかし、時間が経てば、また杖は力を取り戻します。ですから、我々は進まなければいけないんです。魔物達に勝たなければ、犠牲になった彼等を救う事さえできません。行きましょう、皆さん。休んでいる暇はありませんよ。時間が経てば、魔物達は、また新たな罠を仕掛けるに違いありませんから】
ここでヴァロムさんが、皆を鼓舞してくれた。
【皆の者、今、我が弟子が言った通りじゃ! 我々は進まねばならぬ! 友を石にされ、辛い者もおるじゃろう。じゃが、我が弟子が今見せたように、救済する手段はある。ここが正念場じゃぞ。魔物達に勝利せねば、我等に未来はないのじゃからな!】
ヴァロムさんは、そこでアヴェル王子に視線を向けた。
【アヴェル王子! 魔物を倒す好機は今ですぞ!】
先程と打って変わり、アヴェル王子は出発前の強い眼差しへと戻っていた。
ストロスの杖の力を見て、希望の光が見えたからだろう。
アヴェル王子は皆の顔を見回すと、剣を天高くに掲げた。
【行くぞ、皆! すべての元凶は魔物だッ! 魔物を倒さねば、我らに未
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