Lv60 暗黒の瘴気
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その直後、カシャカシャという金属音を立てながら、俺達の背後にある林と、境界門の奥に広がる林から、魔物の集団が姿を現したのである。
現れたのは100体近くはいるであろう地獄の鎧と、6体のドラゴンライダーであった。
俺達は挟み撃ちという状況となっていた。
(……このドラゴンライダーの数を考えると、コイツ等はアーシャさんやフィオナ様達を運んだ奴等か……)
ドラゴンライダー達を先頭に、魔物の集団はゆっくりと俺達に近づいてくる。
そこで、ヴァロムさんの大きな声が響き渡った。
【総員、直ちに戦闘態勢に入るのじゃッ! 敵は背後にもおる! 魔物達の動きに注意せよッ!】
【ハッ!】
全員が武器を手に取り、そして身構えた。
と、そこで、前方にいるリーダーと思わしきドラゴンライダーが右手を上げた。
【止まれ!】
魔物達の進軍が止まる。
リーダと思わしきドラゴンライダーは、そこでニヤリと笑みを浮かべ、口を開いた。
【待っていたぞ、お前達が来るのをな。どうだ? 美しい石像だろう。言っておくが、これらは、ただの石像ではない。クククッ……お前達もこうなるのだからな】
「何ッ!?」
「一体、何を言っている……」
魔導騎士や宮廷魔導師達は、魔物の言葉に少し翻弄されていた。
恐らく、あの有名な状態変化を知らないのだろう。
(コイツ等が言っているのは、恐らく、石化……チッ、厄介だな。しかし、どうやって……これだけの者達を石化させたんだ。この石像群の様子を見る限り、全て同時に石化したような感じだ。一体どうやって……Xのジャミみたいな石化ガスでも使ったのか……にしては範囲が広すぎる気がする……)
俺はそこで石化している魔物へと視線を向けた。
すると、石化してるのは彷徨う鎧系の魔物達だけであった。
続いて俺は、ドラゴンライダー達に目を向ける。その姿はゲームと同様、獰猛な翼竜に跨る騎士という感じだ。が、違う箇所もあった。ドラゴンライダー達の首にはネックレス上になった黒い水晶球のようなモノが、ぶら下がっていたからである。
それだけではない。その内の1体は、俺達が発見したあの美しい杖を所持していたのだ。
(あれは……雨雲の杖! なんで奴らが……ン?)
そこで、リーダー格のドラゴンライダーが所持している物体に目が留まった。
それは奇妙な模様が描かれた黒い壺のような物体であった。
(壺と雨雲の杖……なんか最近、これと同じようなのをどこかで見聞きした気が……アッ!?)
次の瞬間、俺の脳内に、あの遺言の記述が蘇ってきたのである。
またそれと共に、奴等の思惑が、おぼろげながら見えてきたのであった。
(そ、そういえば……アヴェル王子はこの間言っていた……雨雲の杖はその名の通り、雨雲を呼び寄せ、限定的ではあるが、雨を
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