Lv59 決戦の地へ
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な話されたら、誰だってこうなるだろう。
「今の話は事実です。これらは、精霊王から、来たるべき決戦に備えて、私に託された武具なのです。ですから、カーペディオンの末裔たる貴方がたに受け取ってもらいたいのです」
2人は顔を見合わせる。
シェーラさんは武具と俺の顔を交互に見ながら、ゆっくりと口を開いた。
「せ、精霊王リュビストに託されたって……コータローさん……貴方、一体何者なの?」
「そんな大層なもんじゃないですよ。基本的に、ただの魔法使いですから」
すると2人は、『何を言ってるんだ、お前は』とでも言いたそうな表情で、俺を見詰めていたのである。
とはいえ、ただの魔法使いというのも、ある意味では事実なので、致し方ないところであった。
(まぁそんな事はともかく……そろそろ、俺の見解をヴァロムさんや王子達に話しておこう。魔の島に到着したら、そんな暇はないだろうから……)
というわけで、俺は2人に言った。
「さて、レイスさんにシェーラさん……アヴェル王子は今、甲板にいるのですかね?」
「ああ、その筈だ」
「そうですか。では、お2人にこんな事をお願いするのは恐縮ですが、アヴェル王子とウォーレンという宮廷魔導師の方をこちらに呼んできてもらって良いですかね? 先程の魔物についての見解を彼等にしないといけませんので……」
「それは構わないが……今の魔物の話をするのなら、我々も話に参加させてほしい」
「ええ、勿論、そのつもりです。お願いできますか?」
「わかった。では私が呼びに行ってこよう」
そしてレイスさんは足早に、この部屋を後にしたのである――
[V]
レイスさんは、アヴェル王子とウォーレンさんを連れてこちらに戻ってきた。
扉が閉められたところで、俺はこの場にいる全員に、他言無用と念押ししてから、静かに話を切り出した。
俺が解いた謎の説明は5分程度。少し端折った部分もあるが、根拠と結論はしっかりと伝えておいた。
そして、俺が話し終えると共に、いつにない重苦しい沈黙が訪れたのである。
この場にいる者達は皆、呆然と無言で佇んでいた。
そんな重苦しい空気の中、第一声を発したのはアヴェル王子であった。
アヴェル王子は振り絞るように、ゆっくりと言葉を発した。
「コータローさん、な、なな、何を言ってるんです……そ、そんな馬鹿な……そんな事が、ある筈……」
続いてウォーレンさんが恐る恐る口を開いた。
「う、嘘だろ……そんな馬鹿な事がある筈……か、確証はあるのかッ!?」
「いえ、残念ながら、確実な証拠はありません。ですが、全ての状況が、そう指し示しています」
「し、しかしだ……クッ、そんな馬鹿な事が……」
ウォーレンさんはそう言って肩を落とし、苦しそうな表情で額に手を当てた。
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