Lv59 決戦の地へ
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よ。そんなの持ってないぞ」
「そういえば……まだ伏せたままであったな。もうよかろう……その名称不明の指輪と、黄色い水晶球がそうだ。今まで黙っていたが……これらはリュビストの結界を発動させる為に必要な鍵なのだよ」
「な、なんだって……」
俺はそれを聞き、指輪と水晶球に視線を向けた。
指輪の造形は、銀色のリングに、エメラルドグリーンのような色をした小さな宝石がついているシンプルなモノであった。
非常に美しい指輪で、豊かな大自然の生命力を感じさせるエメラルドグリーンの宝石が印象的だ。とはいえ、そういう風に見えるのは、若干プラシーボ効果もあるのかもしれない。まぁとにかく、そんな指輪である。
また、水晶球の方はソフトボールくらいの大きさで、透き通った球体の中には、淡く光り輝く黄色い霧のようなモノが、絶えず、中で渦巻いていた。
どういう素材で作られているのかわからないが、羽のように軽いオーブである。
(命の指輪……イエローオーブ……まさか、このタイミングで、その名前が聞けるとは思わなかった。というか、既に持っていたとは……。オーブがあるってことは、ラーミアみたいな存在がいるんだろうか……)
などと考えていると、ラーのオッサンの声が聞こえてきた。
「コータローよ、それらをヴァロム殿に渡してくれ」
「あ、ああ……了解」
色々と訊きたい事もあるが、この事態を乗り切った後にしよう。
「ヴァロムさん、どうぞ」
俺はヴァロムさんに命の指輪と、イエローオーブを手渡した。
ヴァロムさんは、それらをマジマジと眺めながら、オッサンに訊ねた。
「ふむ、これが結界の鍵か……未だかつて感じた事のない雰囲気を持つ魔導器じゃな。ところで、ラーさん、確認じゃが、手順は以前聞いたとおりじゃな?」
「うむ。手順は以前言った通りだ。その2つと、アブルカーンがあれば……リュビストの結界を起動させられるであろう」
「そうか……では、これよりは、儂の役目を果たすとしよう」
ヴァロムさんは神妙な面持ちになり、命の指輪とイエローオーブを道具袋へと仕舞った。
「よろしく頼む、ヴァロム殿。それから、コータローよ。これらの他に名称不明の杖と腕輪があると思うが、それらは、これよりお主が持つのだ。肌身離すでないぞ」
「え、これもか? って事は、これにもちゃんとした名前があるのか?」
俺は金色に輝く腕輪と、名称不明の長い杖に目を向けた。
金色の腕輪は、幅広のメタルバングルのようなタイプで、奇妙な模様が幾つも彫り込まれていた。なにやら得体の知れない威圧感を放つ腕輪である。
また、杖の方は造形的に、密教僧や修験者が持つ錫杖に似ている感じであった。艶のある青い柄の先端に、大きな金色の輪が付いており、その中心には多面体加工された透き通る水色の宝石が付いている。非常
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