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Dragon Quest外伝 〜虹の彼方へ〜
Lv58 眠れる城の貴族
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に残っていた。
 さっきラーさんは、消滅するモノとしないモノがあると言っていたから、これは後者に該当するアイテムのようである。……という事にしておこう。


   [V]


 王族や太守の方々を全員起こした後、ヴァロムさんとヴァリアス将軍は彼等から事情聴取を行っていた。
 そこでの話によると、避難中に鞭を持つ翼の生えた茶色い魔物が1匹現れ、奇妙な形をした杖を掲げたらしい。
 その時、杖から黒い煙が現れたらしいのだが、そこから後の記憶はないそうである。
 恐らく、考える余裕すらないほど、あっという間の出来事だったのだろう。
 と、そこで、太守の1人が慌てたように声を上げた。
【ア、アーシャがいない! どこにいった!】
 声を上げたのはソレス殿下であった。
 続いて、他の王族達も慌てだした。
【フィオナ様がいない!】
【アルシェス様もだ!】
【イメリア様! イメリア様がいない!】
 王族や太守達がざわつき始めた。
 時間が経つにつれ、事態が呑み込めるようになり、他の事を考える余裕が出てきたのだろう。
 ここで、ヴァリアス将軍が言いにくそうに言葉を発した。
「皆様……申し訳ございません。アルシェス殿下にフィオナ様、そしてアーシャ様とイメリア様は魔物達によって人質として、魔の島に連れて行かれてしまいました。今、魔物の討伐と救出に向かう部隊を編成しているところです」
【な、何だって……】
 それを聞き、ここにいる者達はどんよりとした表情になった。
【ア、アーシャ……なぜお前まで……】
 ソレス殿下は祈るかのように、身体を震わせながら膝を床に付けた。
 そして他の王族達は、ヴァロムさんや将軍に食って掛かったのである。
【ヴァリアス将軍! すぐにアルシェス様とフィオナ様を助けに向かうのだッ! 急げッ!】
【そうだ、早く救出に行かねば、魔物達に殺されてしまうぞッ! 何をしているッ!】
【ヴァロム殿! 貴公が始めた事だ! 早く救出に向かえッ!】
 王族や太守の方々は、パニックになりかけていた。
 そんな中、レイスさんとシェーラさんが俺の所へとやってきたのである。
「コータローさん! 教えてくれ! イメリア様が連れて行かれた魔の島という場所はどこなのだッ?」
「教えて、コータローさん! イメリア様はどこにいるのッ」
 今にも探しに行きそうな勢いであったのは、言うまでもない。
「場所はわかりますが……とりあえず、落ち着いてください」
「落ち着いてなんかいられるか!」
「そうよッ!」
 レイスさんとシェーラさんは、俺に飛び掛かるような勢いで迫ってきた。
「ちょ、ちょっと、2人共、落ち着いて」
「教えてくれ! どこなんだ!」
「教えて、コータローさん!」
 どうやら、何を言ってもダメな感じだ。
 
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