Lv58 眠れる城の貴族
[6/13]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
の世界には教会がない。
早い話が、呪いを解いてくれる施設なんてないのである。
「まぁ待て待て、落ち着け、コータローよ。言葉が足らなかったな。呪いは我が解呪できるから、そこは心配せんでいい」
「え? ラーさん、シャナクを使えんのか!?」
「ああ、使え……って、ちょっと待て……なぜお主が、その呪文の事を知ってる? まさか……その魔法の事も、例の書物に記してあるのか?」
「……まぁね」
「信じられん……あれは、この地上では秘法扱いだった筈……。いや、そもそも、あれは魔法ではない。あの秘法は、ミュトラの力を借りて、初めて成功するモノだ……この地上では行使する者すら、発動の呪文までは知らぬだろう。なぜその発動呪文まで記されているのだ?」
ラーのオッサンの口振りを見るに、書物に掛かれている事自体、あり得ない魔法のようだ。
この世界におけるシャナクは、通常使える呪文ではないのかもしれない。
(また余計な事を言ったようだ……つか、この非常事態だと、そんな事もいっておれんしな……とりあえず、適当に流して、先に進もう)
つーわけで、俺は白々しく言った。
「といってもなぁ……そう書かれてたんだから、仕方ないだろ。それより、本当に呪いは解けるんだな?」
「ああ、解呪はできる。しかし、付け加えておく事が1つがある。解呪を施すと共に、その杖は消滅するかもしれぬから、それは覚悟しておいてくれ」
「消滅する可能性があるのか……」
ロト三部作だと消えていたが、XとかYだと、呪われた武具も普通に外せた気がする。
もしかすると、この世界における呪いは、前者に近いのかもしれない。
ラーさんは続ける。
「呪われた魔導器は、消滅するモノとしないモノがあるのだ。この杖がどちらの魔導器かは、流石に我もわからんのでな。まぁ我の予想では、消滅せぬとは思うが、断言はできんのでな」
「ふぅん……やってみてからのお楽しみって事か……了解。ところで、杖の使い方なんだけど、ラーさんはわかるか?」
「我もうろ覚えだが……発動するときは、杖の柄に魔力を込めていた気がする。そして、解呪する時は、先端の水晶球に触れて、魔力を込めていたように記憶しているがな……。以前、我が見た時は、だが……」
「何だよそれ……不安だな。つか、以前見たって、一体何時の話だよ」
「確か、1000年ほど前だ」
「ふぅん、1000年前か……ン? あれ……ラーさんて、5000年前に、イデア神殿に封印されたって言ってなかったか? なんで、1000年前の出来事を知ってるんだよ」
「へ? あ、ああ、そういや、そうだったな。ええっと、つまりだな……我は時々、精霊界から地上を見ることもあるのだ。だからだ。ハハハハ」
あからさまに怪しい返答である。
終始、動揺した物言いであった。
(前から思ってい
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ