Lv58 眠れる城の貴族
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力な魔法によって眠らされておるのならば、いずれ効果は切れるかもしれぬ」
「わかりました」
ヴァロムさんはそこで、俺に耳打ちをしてきた。
「コータローよ、お主はどう思う?」
俺も小声で返した。
「断言はできませんが……もしかすると、魔物達の魔導器によって眠らされたのかもしれません」
「ふむ、何か心当たりがあるのか?」
「はい……実はここに来る途中、とある魔物と戦ったのですが、その時に、タチの悪い呪いの杖を持っていたんです。ラーさんの話だと、夢見の邪精を封じたという杖らしいですが……ラーさん曰く、この杖を使われたら、呪いを解かない限り、目を覚ます事はないそうですよ」
「ほう、ラーさんがの……。コータローよ、場所を変えて、ラーさんに訊いてみてくれぬか? この症状が、それかどうかを知りたい」
ヴァロムさんは懐からラーの鏡を取り出し、俺に手渡した。
「了解です」
そして、俺は静かにこの場を離れたのである。
俺は人気のない場所へと移動し、そこでラーさんに小声で確認をした。
「おい、ラーさん……あそこで眠らされてるのって……もしかして、例の杖か?」
「お主の想像通りだ。夢見の邪精に憑かれておる」
「マジかよ……じゃあ、眠らせた張本人がいなきゃ無理ってことやんけ」
「まぁそうだが……別の方法で解除することができるやもしれん」
「別の方法? って、なんだ一体……」
「お主が持つあの杖で、眠っておる者達をもう一度眠らせて、お主がそれを解除すればよい。それで目を覚ますかもしれぬぞ」
今の話を聞いて、頭が痛くなったのは言うまでもない。
「ええっと……つまりあれか。俺が呪いの上書きをして、それを解除するって事か?」
「上手い事言うな、お主。まぁそんなところだ」
「でも、夢見の邪精って、使用者の魔力に紐づけされるんだろ? そんな事できんのか?」
「わからん、やってみないとな。だが……以前、そんな事をしていた魔物を見た事があるんでな。もしやすると、あの者達に憑いた邪精は、お主が持つ杖の影響下に置くことができるやもしれぬぞ」
俺達には他に選択肢がなさそうだ。
確証がない話ではあるが、試してみるしかないだろう。
しかし、重要な問題が1つある。
「ラーさん、1つ聞きたい。あの杖を使う事によって、俺に呪いがかかるなんて事ないだろうな?」
すると、ラーのオッサンは平然と言いやがったのである。
「確実に呪われるな。おまけに、お主の手から、杖は離れなくなるだろう。その杖は基本的に、魔の世界に住まう者しか使わぬからな。この世界の者達が使えば、呪いが降りかかる事になろう」
「なんだよそれッ! そんな事を俺にしろというのかよ!」
俺は思わず激高した。
当たり前だ。誰だって呪われたくはない。
おまけに、こ
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