Lv58 眠れる城の貴族
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、以前テレビか何かで見たサン・ピエトロ大聖堂のような感じでもあった。
壁には幾種類もの女神像が安置されており、それと共に、煌びやかな装飾や彫刻等が至る所に施されていた。
天井も高く、30mくらいありそうな高さだ。また、天井には一面に、美しい女神に見守られる人々が細かに描かれており、壮大な眺めとなっていた。
その光景は、まさしく、宗教施設の総本山といった佇まいであった。
(すげぇな……よくこんなの造ったわ……って、観光気分で見とれてる場合じゃないか)
俺はそこで空間の中心部に目を向けた。
そこには魔導騎士や宮廷魔導師達の人だかりが出来ており、少し慌ただしい雰囲気になっていた。
ヴァリアス将軍の姿もそこにあった。
そして俺達は、その将軍の所へと案内されたのである。
「ヴァリアス将軍、ヴァロム様をお連れ致しました」
「うむ、ご苦労であった」
続いてヴァリアス将軍は、ヴァロムさんに一礼する。
「ヴァリアス将軍よ、何があったのじゃ?」
「ヴァロム様、こちらをご覧ください」
将軍は困った表情で、人だかりの中心を指さした。
すると、そこにはなんと、沢山の貴族達がバタバタと倒れていたのである。
見たところ、倒れているのは、王族や太守、そして高位の貴族達であった。それらに加えて、護衛の近衛騎士達も倒れていた。
そして今、魔導騎士達と、ディオンさんと始めとする宮廷魔導師達が、それらの方々を起こしている最中なのである。
また、よく見ると、ソレス殿下やラミナス公使と思わしきラミリアンの美しい女性もいた。それから、レイスさんやシェーラさんの姿も。それは異様な光景であった。
(ここで、なにがあったんだ一体……)
ちなみにだが、ここで倒れている者達には、外傷などは見当たらない。呼吸もしているので、死んではいないようである。
まぁそれはさておき、程なくして、ディオンさんがこちらへとやってきた。
「父上、ヴァリアス将軍、ダメだ……どうやっても、目を覚まさない」
「全員ですかな?」と、ヴァリアス将軍。
「ああ、全員だ。眠っている近衛騎士の顔を強く叩いてもみたが、それでも目を覚ます気配はない……」
ディオンさんとヴァリアス将軍は困った表情をした。
どうやら、眠っている者達が目を覚まさないようである。
俺は2人の会話を聞き、ピュレナでの出来事を思い出した。
もしかすると、あの忌まわしき杖が使われたのかもしれない。
「父上……どう思われますか? これは私の勘ですが、恐らく、ラリホーや甘い息のような方法で眠らされたのではないような気がします。何か得体の知れない方法で眠らされたのかもしれません」
「誰も目を覚ますぬのか……ふむ……弱ったの。とりあえず、少し時間を置いて、もう一度、起こしてみよ。何らかの強
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