586部分:第四十五話 魏延、一目惚れするのことその十八
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第四十五話 魏延、一目惚れするのことその十八
「それと蒸し餃子だな」
「ふむ。では残りの素材を使って炒飯もだな」
「それでいくか」
こう話してであった。二人で料理を作りはじめた。夏侯惇は結局素材を運ぶだけであった。しかしそれでもなのだった。
「何か厨房から音が聞こえるね」
「夏侯惇さんですね」
崇秀が許緒に言う。
「あれは。豚肉を落とされましたね」
「何かを落としたまでわかるんだ」
「音でおおよそ」
それでだというのだ。
「それは許緒さんも同じですね」
「僕は匂いでわかるよ」
にこりと笑って崇秀に話す。
「それでね」
「それで、ですか」
「そうだよ。崇秀さんは耳だね」
「はい、耳には自信があります」
「僕は鼻ね」
「お互いいいものを持っていますね」
「うん、そうだね」
崇秀の言葉にまたにこりと笑って話す。
「それじゃあだけれど」
「ここは楽しく待ちましょう」
「それで食べた後だけれど」
「稽古をしますか」
「手加減しないよ」
にこりと笑った笑顔はそのままだ。純粋な少女の笑みである。
「それでいいよね」
「私も手加減しません」
崇秀も言うのだった。
「さもないと面白くありませんからね」
「うん、じゃあね」
こう話してだった。彼等は食事を楽しみに待っていた。その味はよかった。とりあえず夏侯惇も料理をした気になって機嫌はよかった。
第四十五話 完
2010・11・18
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