Lv57 魔物の逆襲
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……アシュレイア様、迎えの者が参りました】
と、その直後、物凄い雄たけびと共に、キューブ状の牢獄のようなモノを吊りさげる6体のドラゴンライダーが、崩れた壁の向こうに現れたのであった。
(チッ……また厄介な奴が来やがった……ン? あ、あれは!?)
俺は目を見開き、驚愕した。
なぜなら……吊られた牢獄の中には、俺のよく知る人達が入っていたからだ。
アーシャさんにサナちゃん、それからフィオナ王女と王族と思われる青年、それに加えてミロン君の計5名の者達がいたのである。
5人は全員眠らされているのか、目を閉じて横になっており、微動だにしない。
(なんで、アーシャさんやサナちゃん達まで……まさか、この面子をさらった理由は! クソッ……ここにきて、この展開かよ……。つか、一体なにがあったんだ……この中にいる人達は、近衛騎士や魔導騎士が護衛していたんじゃなかったのか。どうなってる……)
アヴェル王子は叫んだ。
【なんでアルシェスとフィオナが、そこにいるッ!】
続いて他の皆も。
【ア、アルシェス殿下!】
【あれは、フィオナ様!】
【ミロン、なんでお前が!】
と、そこで、シルバーデビルの勝ち誇ったような声が聞こえてきた。
【ウケケケケッ、この者達の命が惜しいのなら、武器を下ろせ! さぁ早くしろ!】
【グッ……】
全員が苦渋の表情であった。
この場にいる者達の武器を持つ手が、ゆっくりと下がる。
レヴァンだけは笑みを浮かべていた。
【クククッ、でかしたぞ、ザムド。アズラムドよ、私についてこい】
レヴァンは魔導の手を使って、シルバーデビルがいる崩れた壁の方へと向かう。
アズラムド国王もそれに続いた。
程なくして壁の前に着いたレヴァンは、俺達に振り返り、小馬鹿にしたように言い放ったのである。
【クククッ、さて、では迎えが来たようなので、私はここら辺で失礼させてもらうとするよ。だがその前に……愚かなお前達も退屈するだろうから、少し遊び相手を用意しよう】
レヴァンはそう言うや否や、シルバーデビルに黒い杖とアサシンダガーを手渡した。
【これをお前に渡そう。後は好きにするがよい】
【ハッ! アシュレイア様】
シルバーデビルはニヤニヤしながら杖を受け取る。
そしてレヴァンは俺達に振り返り、大きな声で、別れの捨て台詞を吐いたのであった。
【クククッ……お前達が、もしこの場を切り抜けられたならば、魔の島に追ってくるがいい。そこで決着をつけてやろう】と――
[V]
レヴァンはドラゴンライダーの後ろに跨り、この場から去って行った。
アーシャさん達が中に入ったキューブ型の牢獄も、6体のドラゴンライダーに吊り下げられて動き始める。
この場に残った魔物は、トロル1体とサイクロプス2
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