Lv57 魔物の逆襲
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まぁそれはさておき、レヴァンはその女性を睨みつけ、忌々しそうに口を開いた。
「シャールか……見ての通り、私は今、取り込み中だ。下がってもらおうか」
「貴方……自分が何をしているのかわかっているの! 貴方の行動は、お父様やお母様の名誉を汚す事になるのよ!」
「父や母は、もうこの世にいない。この世にいない者の名誉に、何の価値がある……。俺はそんな名誉にすがるつもりはない。自分の道を行く……例えそれが、魔物達に組する事だとしてもな。失せろ、シャール!」
「どうやら……本当に魔物達に魂を売り渡したようね。でも、ここで引くわけにはいかないわ……」
「それは宮廷魔導師としてか? それとも、我がストレイン家を生み出した本家としての責任か?」
「両方よ!」
シャールと呼ばれた女性は、一歩も引く様子は見せなかった。
どうやら奴と対峙するつもりなのだろう。
なんか知らんが、妙な展開になってきた。
だがそこで、奥の観覧席から大きな笑い声が聞こえてきたのである。
【ケケケケ……アシュレイア様、もうすぐ使いの者がこっちに来ますぞ。今暫しお待ちくだされ……】
声を発したのは神殿管理官に化けていたシルバーデビルであった。
シルバーデビルは正面にある観覧席の手摺りの上に乗り、俺達を嘲笑っている。
奴の付近には眠っている近衛騎士が何人もいた。
(奴と戦っていた近衛騎士は全て眠らされたようだ。シルバーデビルはベホマを使える上に、甘い息を使うから厄介なんだよな……おまけに、ベギラマも使ってくるし……)
などと考えていると、シルバーデビルは奥にある誰もいない壁に手を向け、まさにその呪文を使ったのである。
【ベギラマ!】
シルバーデビルの手から火炎が吹き荒れる。
俺はベギラマの行き先を目で追った。
そして驚愕したのである。
なぜなら、10個ほどの魔法の玉がそこに置かれていたからだ。
(あ、あれは魔法の玉! チッ、いつの間に……しかもあんなに沢山……不味いぞ……大爆発が起きる)
俺は叫んだ。
【皆、伏せるんだァァ!】
と、次の瞬間!
――【ドゴォォン】――
大爆発が起き、物凄い破壊音と共に、石の破片を周囲に撒き散らしたのであった。
【キャァァ】
【ウワァァァ】
悲鳴が至る所から聞こえてくる。
爆発の影響による煙で、審判の間は視界が悪くなっていた。
だが程なくして、どこからともなく吹いてくる風が煙をかき消していき、周囲の様相がわかるようになってきたのである。
俺はそこで伏せた体を起こし、風の吹く方向に目を向けた。
するとなんと、観覧席の奥にある壁はほぼ崩れ去っており、そこから外が見渡せる状況となっていたのだ。
煙が晴れたところで、シルバーデビルの大きな声が響き渡る。
【ケケケケ
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