Lv57 魔物の逆襲
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とか行けるだろう」
「なら、すぐにやってくれ。あのシルバーデビルさえ、なんとかすれば、この場は切り抜けられる」
「わかった。では行くぞ」
と、その直後、俺の胸元に掛かっている鏡が眩く輝きだしたのである。
シルバーデビルは叫ぶ。
【グアァァ! 何だこの光は! オノレ、またあの鏡か、忌々しい!】
【こ、これはさっきの光か!】
ここにいる者達全員が腕で顔を覆い、光を遮っていた。
その為、俺達のところで起きている現象は、皆から死角になっていた。
というわけで、レムオルで透明になった俺は、早速、行動を開始したのである。
程なくして光は消えてゆく。
シルバーデビルの怒声が響き渡る。
【オノレェ! 今の光はそこからだな! 小賢しい奴め……おい、そこにいるコータローとヴァロムから先に血祭りにあげろ!】
魔物達は動き始める。
そして俺はというと、すでに奴の真下に来ていたのである。
俺は上を見上げた。
観覧席の手摺りの上にいる奴は、前にしか注意を向けていなかった。
モシャスの俺を本物と認識しているようだ。
(よし、今がチャンス!)
俺は魔導の手を使って観覧席へと着地すると、奴の真横へと忍び寄った。が、しかし……なんとそこで、レムオルの効果が切れたのである。
【なッ!? 貴様は!】
当然、奴も気づいた。
(だぁ! こんな所で切れんなよ! もうイチかバチかだ!)
後に引けない俺は、そこで魔光の剣を発動させ、問答無用で、アサシンダガーを持つ手へと剣を振るった。
その刹那!
【ギャァァ!】
シルバーデビルの腕は、綺麗に切り落とされたのである。
(う、うまくいった)
この隙を逃さず、俺は畳みかけた。
更に一歩踏み込み、俺はシルバーデビルの胴を横に薙いだ。
【アガ……ガ】
少し遅れてシルバーデビルの胴体は切り離される。
そして次の瞬間、2つに分断されたシルバーデビルの身体は、手摺りから1階の床へと落ちていったのである。
奴が死んだと同時に、国王は気が抜けたように、観覧席の床に横たわる。
俺はそれを見たところで、ヴァロムさんに告げた。
【ヴァロムさん! アズラムド陛下は呪縛から解放されました! 残った魔物どもをやっちゃってください!】
【ようやった、コータロー。後は任せよッ。 皆の衆! もはや障害は取り除かれた。魔物を討つのじゃ!】
【オオッ!】
ヴァロムさんの号令を合図に、魔導騎士と宮廷魔導師達は一斉に魔物へと攻撃を開始した。
数の力は圧倒的にこちらが上であった為、魔物達は次々と倒されてゆく。
そして暫くすると、アヴェル王子の勝利宣言が、この審判の間に響き渡ったのであった。
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