Lv56 真実の姿 ( i )
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「なんで俺達まで!」
「そうだよ、ふざけんなよ!」
「こんなの横暴よ!」
周囲がざわつく中、俺はヴォルケン法院長の隣にいる髭面の魔導騎士ラサムへと視線を向けた。
ラサムはゆっくりと頷く。
そんな中、ラッセルさんとボルズが、俺に詰め寄ってきた。
「ちょっとコータローさん! これは一体どういうことなのですか!?」
「そうだよッ、コータローさんッ! どういうことだよッ」
(もう、ここでやるしかない……)
俺は2人に言った。
「こうなった以上、仕方ありません……皆、俺に命を預けてください」
「え!?」
「コータローさん、それはどういう……」
俺はそこで、大きく息を吸って、大声を張り上げた。
【アズライル教皇ォォ! 最後に、少しだけ言わせてほしい事があるッ!】
その直後、ざわつく声が静まった。
この場にいる全員が俺に注目する。
教皇は俺に向かい微笑んだ。
【フッ……言っておきたい事? なんですかそれは……この期に及んで、懺悔でもする気になったのですか?】
俺はゆっくりと周囲を見回した後、ここで戦いの火蓋を切る事にした。
【今日はここにいる皆様に、見ていただきたいモノがあるのです】
【見ていただきたいモノ? なんですかそれは?】
【では、今からそれをお見せします】
俺は隣にいるヴァロムさんに目を向けた。
ヴァロムさんは、ゆっくりと首を縦に振る。
そして俺達は、役目を果たす事にしたのである。
これで俺の大役は終わりだ。
俺の役目……それは勿論、あるモノをここまで運んでくることであった。
だが事はそう簡単にはいかない。厳重な警戒態勢の中を運ばなければならないからだ。
その上、ヴァロムさん自身、このオヴェリウスで、まだまだやらなければならない事もあった。
恐らく、今回のこの計画……ヴァロムさんは相当悩んだに違いない。それをどのタイミングで使うかという事と、その為に起きるであろう問題に、どうやって対処するのかという事を……。
そして、それを解消する方法が見つかった。
それは……ラーのオッサンの持つ能力であった。
そう……これはラーのオッサンの持つ能力によって、初めて可能になる計画なのである。
アリシュナで交わしたラーのオッサンとの会話が思い起こされる。
―― 我が出来る事は決まっておろう。1つは真実を晒す事、それからもう1つは……偽りを見せる事だ ――
俺はあの時、2つの能力を聞いて、ヴァロムさんの計画に気づかされたのだ。
皆がこちらに注目する中、俺はオッサンに合図を送った。
「どうやら外の準備は整ったようだ。行くぞ……ヴァロムのオッサン!」
その直後、ヴァロムさんは光に包まれる。
それと共に、ヴァロムさんから【オッサンて言うなァァ
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