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Dragon Quest外伝 〜虹の彼方へ〜
Lv56 真実の姿 ( i )
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ルとの戦闘前に、コータローさんが言っていた言葉の一部だ。テンメイがあの事を言っているのならば……それが意味するところは、恐らく……)
 漠然とだが、この時、アヴェルは予感していた。
 明日はイシュマリア建国以来最大の出来事が起きるかもしれない、と……。

 ―― 一方その頃 ――

 とある薄暗い部屋の中で、密会する2つの人影があった。
 1人は窓辺に立って外の景色を眺め、もう1人は、その者に跪いている。つまり、2人は主従の関係であった。
 また、2人は共に、黒いローブを深く被る姿をしており、その表情は窺い知れない。不気味な雰囲気が漂う者達であった。
 まず跪いている者が先に、言葉を発した。
「申しわけありません……アシュレイア様。アヴェル王子の乱入により、王女があの男達を連れ出す事に失敗したようです。……拷問して鏡の在処(ありか)を吐かすのは難しいかもしれませぬ。いかがなさいましょう?」
 窓辺に立つ人影は、少し間を空け、言葉を発した。
「……投獄の際、あの者達が所持しているモノは、すべて取り上げたのであったな?」
「ハッ、全て取り上げてあります」
「という事は……ラーの鏡は恐らく、他の者が持っているのだろう。当日は、審判の間に入る者達の所持品を厳重に確認しろ。怪しい荷物や装飾品があったら、全て取り上げるのだ」
「王族や太守もですか?」
「ああ、全てだ。それから明日は、異端者達の身体も、もう一度確認をするのだ。何者かがあ奴等に、鏡を手渡しているとも限らんからな」
 跪く者は頭を垂れる。
「畏まりました。アシュレイア様の仰せのままに……」
「それと、もう1つ、そなたにお願いしたい事がある」
「ハッ、なんなりと」
 窓辺に立つ人影は、跪いてる者に近寄り、一枚の紙を手渡した。
「これは?」
「そこに書かれている者達を今日中に見つけ、拘束するのだ」
「畏まりました」
「では行くがよい」
「ハッ」
 跪いていた人影は立ち上がり、この部屋を後にした。
 そして、窓辺に佇む人影は、静かにほくそ笑むのであった。
「フフフッ……悪い芽は早めに摘まねばな。明日は絶望してから死ぬがいい、愚か者どもよ」――


   [U]


 シャリン、シャリンという鈴の音が聞こえてきた。
 その音で俺は目を覚ます。それが食事の合図でもあり、起床の合図でもあるからだ。
(朝か……。投獄されて8日経過した。……今日は刑が執行される日だ。とうとうこの日が来たって感じだな……)
 俺は欠伸をしながら上半身を起こし、背伸びをする。
 そこでヴァロムさんに目を向けた。
 すると、相も変わらず、座禅を組んで瞑想を続けているところであった。
(一晩中、よくあの態勢を続けられるな……すごいわ……)
 そんな事を考えながら背伸
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