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Dragon Quest外伝 〜虹の彼方へ〜
Lv55 怒涛の羊たちの沈黙
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たとはいえ、その事実に変わりはないのですからな。あまりこの者に肩入れなさると、いらぬ誤解を招くと私は申しておるのです」
「わ、私は別に、肩入れなど……」
 フィオナ王女はそう言って、力なく俯いた。
 この場に気まずい空気が漂う。
 というわけで、俺がそれを打破することにした。
「あの〜、そこの神官さん、ちょっと良いですか?」
 神官は俺に振り向く。
「なんだ、異端者よ。私に懺悔でもするつもりかな?」
「いや、今の話で、1つだけ気になったところがあったんで、質問させてください」
「申してみよ」
 俺は言ってやった。
「貴方さっき、フィオナ王女が、どこで襲われたと言いましたっけ?」
「どこで? 沐浴の泉であろう。それがどうかしたのかな」
「あれ……おかしいな。フィオナ王女もそこの近衛騎士も、襲われた場所までは言わなかった気がしたんですけどね。なんで貴方が、襲われた場所を知ってるんですか?」
 神官の表情が強張る。
「な、何を言うかと思えば、おかしな事を……い、今、フィオナ様がそう言われたではないか。言いましたよね、フィオナ様?」
「え? あ、えっと……そういえば言ったような……」
 突然話を振られたので、フィオナ王女はしどろもどろになっていた。
 まぁこれは仕方ないだろう。人の記憶なんてあやふやなモノだし。
 対して、神官は明らかに狼狽していた。
 この様子だけで怪しさ満載である。
 まぁそれはさておき、神官はそれを聞き、勝ち誇ったように告げた。
「ほ、ほれみろ! 言った通りではないか。おかしな事を言う異端者だ、まったく……」
「ふ〜ん、まぁいいや。そういう事にしておきましょうか」

 俺はこれ以上、追及はしなかった。
 こんなアホな神官を弄ったところで、何も事態は変わらないからだ。
 と、ここで、フィオナ王女が話しかけてきた。
「あの……お名前は確か、コータロー様でしたでしょうか?」
「はい、コータローです。でも、よく覚えていてくれましたね。ちょっと嬉しいです」
「命の恩人ですから、忘れよう筈がありません。ところで、コータロー様はなぜ、ヴァロム様と同じ牢に入れられているのですか?」
 答えにくい質問をしてきたな。
 詳細を話すと、この子に危険が及ぶ気がする。
 とりあえず、おおざっぱに話しとこう。 
「牢に入れられた理由ですか……そうですねぇ……まぁ簡単に言うと……俺はヴァロムさんの弟子なんですよ。このオヴェリウスでヴァロムさんのお使いを色々としてたんですが、そこを捕らえられて、異端者になってしまったというのが経緯ですかね。ま、そんなところです」
「そうだったのですか……ヴァロム様の……。あの時、ただの魔法使いではないと思いましたが、ヴァロム様の弟子と聞いて納得しました」
 すると神官が横
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