Lv54 老賢者との再会
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異端者でございます。ヴァロム殿の使者として、我が屋敷に来たのでありますが、聞いたところによると、ヴァロム殿が教えた最後の弟子とか。そして、今日の決議でお渡した指示書を、私の元に持って来たのでございます。ヴァロム殿がまさか、こんな姑息な手を使うとは思いもしませんでした」
それを聞き、アズライル教皇は人の好さそうな笑みを浮かべた。
だが、どこか小馬鹿にしたような微笑みであった。
「ヴァロム殿の使者としてね……しかも弟子ですか。どうやって、ヴァルハイムまで来たのか、非常に興味がありますね」
「どうやらこの男は、クラウス殿の秘書として潜り込んだようです。しかも、顔を隠す為に、かなり凝った変装をしておりました。クラウス殿もすっかり騙されたようですな」
「クラウス殿の秘書としてか……中々に手の込んだ事をしていたのですね。しかし……捕まってしまっては意味がありませんが……」
神官の1人が話に入ってきた。
「このコータローという異端者……噂では相当腕の立つ魔法使いと聞いておるが、よく捕らえられましたな」
「逃げ道のない、部屋にて捕えましたからな。魔法を封じられ、尚且つ、周りを兵士に囲まれれば、いかにヴァロム殿の弟子とはいえ、成す術はありますまい。ま、そうは言いましても、強力な武具を持っていましたので、少しヒヤッとしましたがな」
するとアズライル教皇は興味深そうに、法院長に振り返った。
「ほう、強力な武具ですか……いささか、興味がありますね」
「ヴァリアス将軍。この間、引き渡した時に、こやつの装備品も渡したと思うが、ありますかな?」と、ヴォルケン法院長。
「こちらにございます」
将軍はそこで、そばに控える魔導騎士に目配せする。
魔導騎士は頷くと、俺の装備品をアズライル教皇の前へ差し出した。
「ヴォルケン法院長から預かっているのは、この妙な武具と、魔導の手でございます」
「魔導の手はともかく、これは初めて見る武具ですね」
アズライル教皇はそう言って、魔光の剣を手に取った。
それから柄を握り、光の刃を出現させたのである。
【おお!】
ギャラリーから驚きの声が上がる。
教皇は色んな角度から、光の刃を見ていた。
そんな中、俺はアズライル教皇に向かい、今湧いた疑問を口にしたのである。
「へぇ……初めて見る武具なのに、よくその武器の発動方法がわかりましたね。俺は捕まった時に、発動方法まで説明した覚えはないですが……」
アズライル教皇は一瞬、射抜くような眼差しで俺を睨んだ。が、すぐに元の表情に戻り、爽やかに話し始めたのである。
「フッ……このような武具など、使い方も何もないでしょう。……おかしな男だ」
俺は厭味ったらしく言ってやった。
「猊下は迷わず、それに魔力を籠められたので、私は少し驚いたのですよ。その武器
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