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Dragon Quest外伝 〜虹の彼方へ〜
Lv54 老賢者との再会
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た。
 その直後、俺の周囲に黄色い霧が纏わりついてゆく。
(魔法封じか!……チッ……あの、髭面のオッサン騎士、嫌な事をしやがる……。音が鳴るから、魔除けの鈴を装備から外したが……こんな事なら装備しとけばよかった……まぁいい。ならば……」
 俺はそこで魔光の剣を発動させた。
 剣を中断に構え、沢山の騎士達と対峙する。
 と、次の瞬間、騎士の1人が、鋼の剣で俺に斬りかかってきたのである。
 俺は魔力圧を上げて光の刃を強化し、鋼の剣と斬り結んだ。
 その刹那!
 鋼の剣は、豆腐でも切るかのように、光の刃にスパッと切断されたのである。
「なッ!?」
「なんだ、あの武器はッ! け、剣が簡単に切断されたぞッ!」
 それを見た他の兵士は、驚きの表情と共に、俺と間合いを取った。
 この切れ味を見て、少し恐怖したのだろう。
 と、そこで、ヴォルケン法院長の檄が飛んだ。
「狼狽えるな、皆の者! 周りを取り囲むのだ!」
 法院長の指示に従い、兵士達が俺の周りを囲む。
「チッ」
 俺は思わず舌を打った。
(兵士の数が多すぎる……部屋の外にいるのも含めると、多分、30人以上いる気がする。ここからの逃げ道は法院長の背後にある窓のみ……。今、ラサムという魔導騎士は窓から少しズレた位置にいる。……その隙を突いて、なんとか逃げるしかない)
 ふとそんな事を考えていると、ヴォルケン法院長が大きな声を張り上げた。
【こ奴に逃げ道はない。早く、この異端者を捕らえよッ!】
 俺が動けるスペースは上だけであった。
(クッ……もうやるしかないッ!)
 俺は魔導の手を使い、天井のシャンデリアに見えない手を伸ばす。
 そして、自身の体を引っ張り上げ、振り子の要領で窓の方へと飛び、俺は法院長の背後に着地したのだ。
 包囲網をなんとか抜けた俺は、すぐに窓へと駆ける。が、しかし……そこで髭面のオッサン魔導騎士がサッと反応し、退路を遮ったのである。
 魔導騎士は窓辺に立ち、剣を抜いた。
「フン……残念だったな、異端者よ。逃がしはせぬ。この魔力を帯びた剣は、そう簡単に切れぬぞ。異端者めッ、観念するがいいッ!」
 魔導騎士の言葉に呼応するかのように、他の兵士達は俺を取り囲んだ。
 それは、逃げ道が無くなった瞬間であった。
 ヴォルケン法院長の声が聞こえてくる。
「武器を捨てよ……お主にはもう逃げ道はない。……お主の行動によって、ヴァロム殿の未来が決まると思うがよい」
(……これまでか。もう、逃げ道は……ない)
 俺は大きく息を吐き、魔光の剣と魔導の手を床に投げた。
 兵士の1人がそれを拾う。
 その後、俺は兵士達に拘束された。
 ヴォルケン法院長はそこで、兵士に指示をした。
「この男は魔法使いだ。あの拘束具を用いるがよい」
「ハッ、ヴォルケン様
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