Lv54 老賢者との再会
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あるが、初対面でもある。よって、まずは名乗るとしよう。我が名はヴォルケン・アンドレア・ヴァラール。すでに知っておろうが、イシュマリア司法院の法院長を担う者だ」
「ご挨拶が遅れました。私はテリー……いや、コータローと申します。クリースト様の使者でございます」
「さて、では早速、本題に行くとしよう。まず、貴殿が持っているクリースト殿の指示書を見せていただこうか」
「こちらになります」
俺はグランマージでマジェンタさんから受け取った指示書を、ヴォルケン法院長に手渡した。
「では、拝見させてもらおう……」
ヴォルケン法院長は、暫し無言で、指示書に目を落とし続けた。
そして、読み終えたところで、俺とヴォルケン法院長は指示書に記かれている内容を1つ1つ確認していったのである――
確認作業が一通り終わったところで、ヴォルケン法院長は部屋の外へと出て行った。
それから暫くすると、ヴォルケン法院長は、中東の某テロリストを思わせる長い髭を生やした魔導騎士と共に戻ってきたのである。
部屋に入ったところで、ヴォルケン法院長は連れてきた魔導騎士に指示をした。
「ラサム殿……今暫く、そこの窓辺に立って居てくれぬか?」
「ハッ」
ラサムと呼ばれた魔導騎士は、指示に従い、ヴォルケン法院長の後ろにある窓辺に立つ。
なぜ魔導騎士をそこに立たせたのか、俺にはわからなかった。
だが、俺はこの後、その意味を知る事になるのだ。
ヴォルケン法院長は渋い表情を見せ、俺に向かって、厳かに告げた。
「さて、コータローとやら……残念だが、話はこれまでにしようか」
「え? それはどういう……」
するとそこで、ヴォルケン法院長は扉に向かって、大きな声を発したのである。
【ここに異端者がいるぞッ! 皆の者、異端者だッ!】
その直後、勢いよく扉が開き、武装した兵士達が部屋に雪崩れ込んできたのである。
(この兵士達の迅速な行動……部屋の外に待機させてたな……さっき退出した時に手配したに違いない……)
俺は叫んだ。
「なッ……これはどういう事ですかッ!? う、裏切るつもりですかッ!?」
するとヴォルケン法院長は、先程の話し合いとは打って変わり、厳格な表情でこう告げたのである。
「裏切る? ……違うの。私はこのイシュマリアにおける法の番人だ。私の職務だよ。コータローとか言ったか……お主、ヴァロム殿と共謀して、このイシュマリアを陥れようとしておるなッ! 司法を預かる者として見過ごせぬ所業! こやつを捕らえよッ。ヴァリアス将軍に引き渡すッ!」
【ハッ!】
ここでラサムという騎士が、大きな声を上げた。
【こやつは魔法使いだ。念の為に魔封じの杖を使え!】
【ハッ!】
1人の兵士が、先端に黄色い玉が付いた杖を、こちらに向かって掲げ
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